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ヒント

看護部は、報告書などの提出率が高く事故対策に対して前向きだが、
   医師は、事故防止に消極的

積極的に事故に取り組めない 

報告が出るようにするための一つの考え

インシデントと事故の判別

分析が行き詰まっている方への 一つの考え

医療機器の操作性ついて

報告書などがでてくると
 誰がどんなミスをしたとか と病棟の雰囲気が悪くなる。



積極的に事故に取り組めない
他の知識 例えば褥創処置の知識を得ると自分のスキルがあがったと感じることが出来る。
しかし、事故防止をしていても事故というマイナスイメ-ジから事故を起こさなくて当然と思ってしまうと、消極的になってしまいがちとなると思います。

看護師が事故を起こさないということが、看護師にとってマイナスとならない
というようなネガティブなものではなく、
事故防止をすることによって自己啓発というか自己も成長するのだという考えの方が積極的に取り組めると考えます。
そこでQC活動ですが、
まずQC活動とは?
サービス・仕事などの質の管理・改善をおこなう もので
(ここでは事故防止とすればよいと思います。もちろん他の応用も可能です。)
自主的に行い 、自己啓発・相互啓発をはかり
よりよい職場環境、お客様満足の向上および社会への貢献 をはかるものです。
くわしい方法についてはQCの本を読まれたらよいと思いますが
自己啓発については、強制ではなく自ら進んで行うので身に付き、満足感が得られる。
また方法としては、QCサ-クル活動への参加、事例検討などがあげられています。

リスクマネジメントで有名な武蔵野赤十字病院もQC活動をしてます。
こう書くと急に興味が出てきたでしょ。

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報告が出るようにするための一つの考え

なぜ報告を出さないのか、だししぶるのかを1から8まであげてみましたが
実際にどうしていくかということで一つの考えを提案します。
   2.勤務評定、査定にひびくという思い。罰則があるのではないか?
   4.報告書がどう利用されるのか? わからない不安
   6.雰囲気がない。周りの人の目が気になる。
   
2. 罰則については管理者からはっきり強く無いことを言っておく(あれば話は別ですが)、
  査定の対象になるのではないか?勤務交代されられないだろうか?と不安になる人もいますので。
  事故報告書の最後に罰則がないことを記入してみればどうでしょうか? 
  罰則がないことを感じる機会も増えて良いかも知れません。
  またどちらかというとレポ-トを出さないときに罰則(注意程度)が必要だと  
  思います。
4. 報告書がどう処理されるのか、たとえばオ-プンにされると自分の名前が 
    知られるのではないか?
   このようなことについてもはっきりしておくべきだと思います。 
この2.4については管理者側がはっきり定義しておく方がよいと思います。

他にも周りが、報告書を出していないから自分も出さないということもありますが、
そのへんのところは雰囲気の改善で見ていただけたらと思います。
   
報告書を出すと罰則がないのはわかった、けど何に役に立つの?
   出すと役に立つ意味づけは、婦長が説明するだけでしなく、スタッフナ- 
   スに考えてもらう。考えることによって自分のものになると思いますし、
   まず、おかしな結果には導かれないと思います。
   報告書を出すことによって、自分がいやな思いをするのではなく
   その事故の体験を他の看護婦が活かすことが出来るのです。逆に言うと他の看
   護婦のミスの体験をレポ-トなどで学習していると、自分はミスをしないこと
   があります。(ここでは自分にメリットとして返ってくるということの意味づ
けです)
   もちろん事故情報が全体の事故防止のための大切な情報であることは言うまで
   もありません。(ここが本来の目的ですが)

報告書を出す意味が理解できてもなかなかすぐには提出率のアップは難しいと思いま
す。次に実際を考えてみました。

1. 私はこう言うところに気づいたので事故を防ぐことが出来ました。という提案を
 してもらう。
   これは自分のマイナス面をださず、どちらかというとプラス面を出すの  
   で出しやすいと思います。(逆からのアプロ-チ)
2.このペ-ジでは扱っていませんが、針刺し事故は、自分に直接影響があり、
   その後の受診などで報告書の提出率は高いと思います。
   自分が被害を受けることから意識は高いと考えます。
   上に書いたことと同様で、その事故体験を全員でわけ持ちいかすことが出来る。
   意識の高いところからアプロ-チしていくのも一つの方法だと思います。
3. 他の病院の事例をみんなで考えてみる。先の神奈川県警などの隠蔽の問  
 題を考え意見を出してもらう。
   これは他のところのことであるので、意見が出やすくなると思います。
   そこで出た意見はそのまま生かせるのではないでしょうか?
4. 薬の名前の似たもの、容器の似たものなどを調べ、事故防止と少しだけ 
   離れたところよりアプロ-チしてみる。
5. 病院の立場、事故を受けた人の立場になって考えてみる。
   損害賠償が3億だとしたら、(分けると言うことはあり得ませんが)
   職員でその賠償を払わなければいけないとすると300万払わなければい  
   けない。など 賠償金に関することを少し身近に思ってもらう。あまり
   危機感をあおりたくないのですが。あと自分が事故にあったらどうしてほしい
   か?などで病院の立場、事故を受けた人の立場になって考えてみる。

そして、師長などが率先して報告書を提出していく、提出している人を見て提出することに抵抗を
感じなくなると思います。
インシデント レポ-トを無記名としているところもあります。提出率のアップにはなると思いますが、
必ずしも客観的でない場合があると思います。つまり、感情的要素が入り他の人の失敗を正確に書けない場合
もあるかと思います。この場合は、病棟の中でリスクマネ-ジャ-的役割をしている人が、
チェックをし正しい情報を得るようにしたい。

一度に意識改革は無理だと思います。徐々にでも継続していくことが必要だ
と考えます。

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インシデントと事故の判別

このペ-ジではインシデントは事故には至らなかったが、事故につながりそうになった事例
事故はミスなどにより、患者などに悪い出来事(影響)があった事例と定義しています。

インシデントとアクシデントの違い のところで述べましたが、実際にレポ-トを出す際には
これはインシデントなのか、事故なのか悩むところが出てくるようです。
施設によって随分変わるようですし、
明らかに事故なのにインシデント レポ-トが出ている場合もあります。

提案ですが、導入時にアンケ-トをしてみてはどうでしょうか?
アンケ-トによりインシデントと事故の明確化だけでなく、意識の向上もはかれると
思いますが


例1
誤配膳  
     □ DMの患者に一般食を渡してしまった。
     □ 普通食の人に全粥を渡してしまった。
     □ OPの人に食事がでており、気づき渡さなかった。
     □ 同じ食事種類だが人を間違えて渡した。

看護協会による平成7年の調査によると事故事例の一番に「誤配膳」となっていました。これがトップとなったと言うことは事例として出しやすかったのではないかと考えますが、「誤配膳」が事故になるのか? と疑問をもたれた方もいるかもしれません。私もはじめは誤配膳程度なら事故に入れなくてもと考えたのですが。インシデントレポ-ト、事故報告書を書く際に何を持って事故報告とするのか、インシデントレポ-トとするのかを決めておく必要があると思います。

   
例2
IVDの場合

事故はどれ?  IVDの場合

すぐ漏れた

あとで漏れた

□ 技術の未熟で
□ 血管が細いとか患者側の問題 □ 固定方法が悪かった

□ 患者が動いた

事故はどれ?  漏れた薬剤と状態

□ 抗K剤

□ ビタミン剤など
□ 抗K剤で壊死

□ 抗K剤で、腫脹あり、痛みの訴えあり

□ ビタミン剤で、腫脹あり、痛みの訴えあり

□ 抗K剤で腫脹

□ ビタミン剤で、腫脹あり

□ 異常何も認められず

などそれぞれにインシデント、事故報告書の区別または報告不要などチエックすれば
分別が出来るのでないでしょうか?

意味の解釈の方法
例1 間違えても患者に被害がなかった例、未然に防いだ例、など分けてみました。
  □ 同じ食事種類だが人を間違えて渡した。 は看護者側のミスはあるが、患者には被害がない場合など

例2 IVDの場合     患者側の要因と看護師の要因をどれだけ事故の要因ととらえるか?
   漏れた薬剤と状態  抗K剤とビタミン剤などで意識が違うか?
            どの程度の障害で事故と判定するか?

せっかくアンケ-トをするのなら次のような項目もしてみれば面白いかも知れません。
・ 事故があった場合の報告
・ ヒアリハットの場合の報告
・ 他人のミスを見たとき
・ どのような場合事故として報告しているか、またはヒアリハットとして
    いるのか
・ 医師がミスをしたとき
・ 自分自身はどのようなミスが多いと思うか?
などの項目でチェックボックスをチェックしてもらう
現状を認識するのに役に立つデ-タ-が集まるのではないでしょうか?

施設によっては、ほとんどのことをインシデント レポ-トで提出しているところもあるようです。
事故報告書、インシデント レポ-トの書式にもよるかと思いますが、事故まで、インシデント レポ-トで
出すと後の分析が情報不足などで大変なのではと思います。また、提出率アップのために、事故という概念が
あいまいになってしまうのも困ると思いますが。

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分析が行き詰まっている方への 一つの考え


原因が「思い込み」ばかりで具体的な対策が立てられない 
対策が「思い込まないように気をつけましょう」になってしまう。

例として「薬剤を思いこんで、違うものを与薬した」
についてとすると、なぜそう思いこんだのか? が問題になると思います。
例えば、1Aに20mgのものと10mgの種類のアンプルがある場合がありますが、
形状が同じであれば、間違えやすいと思います。この場合20を10と思ったという事に
なります。通常と違う指示が出ると、いつもと同じというチェック方法であれば間違
えると思います。量のチェックを促すような、表示が必要ではないかと思います。
また、どちらかの量をほとんど使わないのであれば、入荷を止めてしまえば良いと思
います。また、他の業務と平行して行っており、注意がそらされていた。等の心理的要因も考えられますし、
疲労していたなどの身体的な要因も考えられると思います。
これはただ一つの例にすぎませんが、
このように「思いこんで」というのにもなぜそう思いこむのか、
そう思いこませるもっと根本の原因があると思います。

注意が足りなかったので注意しましようでは効果はない。
その原因を探っていかないとなかなか事故防止は進まないのではないでしょうか?

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医療機器の操作性ついて


画像が悪くて申し訳ありません。
図は血圧計のスイッチの部分です。
上部が血圧測定のスタ-トとストップで、下部が電源の入り切りです。
下の電源のスイッチは「切」「入」に一つずつスイッチがついています。
つまり「切」のところを押すと (切れ)
「入」のところを押すと 電源がはいります。
上の血圧測定のスイッチですが、これはスタ-トとストップで一つのスイッチとなっています。血圧測定のスイッチを押すごとにスタ-ト、ストップがくりかえす事になります。
(赤丸のところにスイッチが隠れています。)(赤丸はこちらで付けました)
解っている人にとってはどうって事ないことなのですし、これによって事故が生じるものではありませんが、
血圧測定を始めようと上部のスイッチを押すのにスタ-トと書いてある上半分の狭い部分を押す場合があります。またストップの時は、下半分の狭いところを押す場合があります。
これはただの一例にすぎませんが、この部分については間違いやすく器械の操作性がよいとは言えないと思います。

家電に関しては、スイッチの文字を日本語にしたり、文字を大きくしたりし、使いやすくしています。医療機器は専門であるが故に専門用語とか日本語に出来ない言葉などがあり難しいのかも知れませんが。
器械は間違った操作をしてもエラ-につながらない。操作を間違わないようなインタ-フェイスが必要だと思います。
ここでの例は、別に間違えても笑い話程度なのですが、根本のところはそう変わらないと思います。

メ-カ-によってスイッチの配置、操作性などが異なるのは当然のことだと思いますが、もう少しスイッチの位置はこことか、決まっていれば良いと思いますが
輸液ポンプ一つにしてもメインスイッチが前にあったり、後ろにあったりなのです。
医療機器メ-カ- へこういうところを改善してほしい、など提案してみればどうでしようか?  
看護師は器械が苦手だという意識がある人もあり、また自分の分野でないからということで敬遠しがちですが、昔にくらべたくさんの器械がはいっており、コンピュ-タ-化、機械化はさけてと通れないと思います。器械によって自分たちの首を絞めないように、使いやすい器械、器具、システムをどんどん提案してはどうでしょうか?

また、輸液ポンプ一つを取ってみても、病棟に何種類のポンプがあるでしょうか? 種類が多ければ間違いやすくなることは当然のことだと思います。その器械に応じた方法を覚えていかなければならないのですから大変です。人工呼吸器はどうですか? もっと混乱するのではないですか? 古い器械とかも混在しているでしょうし。
いろいろな種類があると混乱してしまいます。
例えば車ですが、日本の車は、ウインカ-レバ-が右、ワイパ-のレバ-が左です。しかし輸入車は、例外もありますが、左右が逆の車が多いです。設計とかコストの問題とかいろいろあるのでしょうが、その国にあったものになっていないときがあります。曲がろうと思ってウインカ-を出したつもりが、ワイパ-がバタバタと動くというように。ISOであるとか工業製品は標準化されていますが、やはりメ-カ-が変わるとそのメ-カ-のポリシ-もありますので、やはり操作性は変わってきます。
Macを使っている私は、Windowsが使いにくいのようなものです。
種類は少ない方がよいと思います。


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誰がどんなミスをしたとか と病棟の雰囲気が悪くなる

報告書などがでてくると
誰がどんなミスをしたとか噂となり、病棟の雰囲気が悪くなる。

噂が噂を呼ばないように真実をはっきりさせていくことで、改善できるのではないでしょうか?
事故が生じて、レポ-トの提出のみで終わってしまえば、噂などに尾ひれが付いていくかも知れません。
事実として、みんながみる事の出来るレポ-ト、そして、
誰しもミスをする。この事故は、ひょっとしたら私がしたかもという啓蒙活動が必要と思います。
お互いにミスのさぐり合いになるのは避けたいですねぇ。

どんどん公表し、わかってもらうようにすることが必要でないかと思います。
ただ、同じ人が事故を繰り返すようでしたら、その人には、指導していくべきだと思います。


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看護部は、報告書などの提出率が高く事故対策に対して前向きだが、
医師は、事故防止に消極的

医師など他の職種も協力的でないと院内全体として事故防止はうまくいかないと思います。
全体として足並みをそろえないと対処できないところも多いと思います。もちろん院内のリスクマネジメント委員会の中で話し合ったりする事は必要ですが、それでもなかなか医師の意識を変えていくことは看護師以上に難しいことだと思います。閉鎖的な医師は放っておいて看護部だけでもやっていかないと進歩はないと思います。看護部だけでも先駆者になれば、またそうすることによって医師も危機感が出てきてついてくるのではないかと思います。

ドクタ-が(事故)報告書 を書かないことについて、
「私は、こちらで書くという方法をよくとります。有無も言わさず書いて出してしまいます。すると、ドクタ-はそれを書いたものに対して、「気にくわない」という感情をもつでしょうし、それなら、自分で書いたほうがいいと考えるようにもなります。また、私の病院では、報告書を出していないドクタ-は、保険は使えないということもしました。これは、非常に効果的です。」
原英樹 医真会八尾総合病院看護部士長・看護部リスクマネ-ジヤ-
Expert Nurse Vol.17 No.10 August 2001  P.106

というラジカルな方法をしているところもあるようです。


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