インシデントと事故の判別
このペ-ジではインシデントは事故には至らなかったが、事故につながりそうになった事例。
事故はミスなどにより、患者などに悪い出来事(影響)があった事例と定義しています。
インシデントとアクシデントの違い のところで述べましたが、実際にレポ-トを出す際には
これはインシデントなのか、事故なのか悩むところが出てくるようです。
施設によって随分変わるようですし、
明らかに事故なのにインシデント レポ-トが出ている場合もあります。
提案ですが、導入時にアンケ-トをしてみてはどうでしょうか?
アンケ-トによりインシデントと事故の明確化だけでなく、意識の向上もはかれると
思いますが
例1
誤配膳
□ DMの患者に一般食を渡してしまった。
□ 普通食の人に全粥を渡してしまった。
□ OPの人に食事がでており、気づき渡さなかった。
□ 同じ食事種類だが人を間違えて渡した。 |
看護協会による平成7年の調査によると事故事例の一番に「誤配膳」となっていました。これがトップとなったと言うことは事例として出しやすかったのではないかと考えますが、「誤配膳」が事故になるのか?
と疑問をもたれた方もいるかもしれません。私もはじめは誤配膳程度なら事故に入れなくてもと考えたのですが。インシデントレポ-ト、事故報告書を書く際に何を持って事故報告とするのか、インシデントレポ-トとするのかを決めておく必要があると思います。 |
例2
IVDの場合
事故はどれ? IVDの場合 |
すぐ漏れた |
あとで漏れた |
□ 技術の未熟で |
□ 血管が細いとか患者側の問題 |
□ 固定方法が悪かった |
□ 患者が動いた |
事故はどれ? 漏れた薬剤と状態 |
□ 抗K剤 |
□ ビタミン剤など |
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□ 抗K剤で壊死 |
□ 抗K剤で、腫脹あり、痛みの訴えあり
□ ビタミン剤で、腫脹あり、痛みの訴えあり
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□ 抗K剤で腫脹
□ ビタミン剤で、腫脹あり
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□ 異常何も認められず |
などそれぞれにインシデント、事故報告書の区別または報告不要などチエックすれば
分別が出来るのでないでしょうか?
意味の解釈の方法
例1 間違えても患者に被害がなかった例、未然に防いだ例、など分けてみました。
□ 同じ食事種類だが人を間違えて渡した。 は看護者側のミスはあるが、患者には被害がない場合など
例2 IVDの場合 患者側の要因と看護師の要因をどれだけ事故の要因ととらえるか?
漏れた薬剤と状態 抗K剤とビタミン剤などで意識が違うか?
どの程度の障害で事故と判定するか?
せっかくアンケ-トをするのなら次のような項目もしてみれば面白いかも知れません。
・ 事故があった場合の報告
・ ヒアリハットの場合の報告
・ 他人のミスを見たとき
・ どのような場合事故として報告しているか、またはヒアリハットとして
いるのか
・ 医師がミスをしたとき
・ 自分自身はどのようなミスが多いと思うか?
などの項目でチェックボックスをチェックしてもらう
現状を認識するのに役に立つデ-タ-が集まるのではないでしょうか?
施設によっては、ほとんどのことをインシデント レポ-トで提出しているところもあるようです。
事故報告書、インシデント レポ-トの書式にもよるかと思いますが、事故まで、インシデント レポ-トで
出すと後の分析が情報不足などで大変なのではと思います。また、提出率アップのために、事故という概念が
あいまいになってしまうのも困ると思いますが。
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