事故に関連した日記。

2000年5月~2003年3月 分

■精神看護の現場 2003/3/23
専門外の人はなかなか手に取ることはないでしょうが、「精神看護」はおもしろい雑誌です。
Vol.6 No.2 Mar2003 その中で 宮子あずさのサイキア=トリップ と言うのがあります。
今回の連載No.32 事故報告書、どうしてます?  というものです。
たとえば医師が責任の事故は、医師に働きかけて書くように進めるとか、明らかに症状の場合は主治医と相談して「症状である」などコメントをいれる。  ずいぶん割愛していますのでぜひ本文をご覧下さい。
さてその「精神看護」の特集に「ここにある セクハラ 問題にしない&させない圧力はどこからくるのか。」があります。
看護側に原因のある事故、いわゆる看護事故がありますが、逆に看護師が受ける事として暴力、セクハラもあります。こういうこともレポ-トが必要になってきているのだと思います。安全な看護を提供するためには、看護師の安全が必要だ思います。


■KYT法 2003/3/16

2001/12/18のdiaryにKYT(危険予知トレ-ニング)のことについて書きましたが、
そのKYT法を医療の現場に取り入れた、医療事故防止の本があります。

ナ-ス専科BOOKS こうすればできる 安全な看護
監修:東京医科大学病院看護部 安全対策委員会

第1章 転倒・転落
第2章 与薬
第3章 ライントラブル
第4章 周産期
第5章 管理
資料 まさかの時の法律知識

詳しくは、ナ-ス専科.COM


■無呼吸症候群 2003/3/4
新幹線の運転手は、無呼吸症候群の可能性がある。と報道されていました。JR西日本は、健康診断の見直しを検討するらしいです。日航羽田沖事故 1982年 逆噴射事故と言った方が良くわかると思いますが、機長が逆噴射操作をすることにより失速し墜落したというもので、機長は心身症 後に精神分裂病(現在ならば統合失調症)であったようです。看護は、ストレスの多い仕事です。心身症の方もいます。健康診断に精神科医の診察があってもいいのではないかと思います。そしてサポ-トなどをする必要があるのではないかと思います。そういえば健康診断で視力検査とかないですねぇ。


■仰天! 3 2003/2/28
新幹線の運転手が運転中に寝ていたという事件が報道されていました。しかし、新幹線はハ-ド面のバックアップは完璧に近いのかもしれません。つまり予期せぬことが生じても、ハ-ド面で事故防止が出来ているのです。無人と同じような状態でも事故が生じないのですから。さすが世界に誇る新幹線です。
それにしても下の「男性准看護師が殴る」と同じようにこの新幹線の運転手も個人的要因が大きいと思います。事故防止で組織、組織と言われていますが、個人の要因の場合は、事前に防ぐことは難しいのかもしれません。  210



■仰天! 2 2003/2/28
下の「女性看護師撃たれ死亡」が外なるリスクとすると、今度は内なるリスク。 これも仰天なのです。
男性准看護師が、女性患者が点滴を拒む仕草をしたことに腹を立て、平手で女性の顔を殴るなどの暴行を加え結局その患者さんは亡くなられたそうです。詳しいことは何もわからないので勝手な想像ですが、個人の資質に関することは難しい。衝動的行動をする人もいると思いますが、性格診断とか指導をしていってもその人の性向は相変わらないでしょうからねぇ。これも それにしても……


■仰天! 2003/2/28
速報で「女性看護師撃たれ死亡」を見ました。詳しいことはこれから調べていくのでしょうが、容疑者は「病院内の規則を守らなかったため、強制的に退院させられていた」らしいとのこと、それにしても病院のセキュリティは甘いのかもしれません。病院専門の泥棒もいるらしいですし、高級ホテルなどは、宿泊者の安全確保のため警備がされていると聞いたことがあります。容疑者は病院に不満を持っていたとも聞きますが、これから患者さんへの事故のリスクだけでなく、病院の安全、治安を守る、という大きなリスクマネジメントをしていかなければいけないのだと思います。患者さんも安全に、そして私たち看護者も安全に! それにしても……


■韓国の地下鉄事故 2003/2/26
またぞろ管理者側の隠蔽という問題が出てきました。
もう人間の特質だから仕方ないですね。とあきらめがつくものではないです。
運転士のパニック時の判断、管制側の状態が把握できていないが指示を出さなくては行けない。
なかなかちゃんと理想通りの対応が出来るものではないと思います。
いろいろな事故のほとんどは、人為的ミスもさることながら背景には"組織"というものが隠れているのが多いように思えます。また調べていくと大かれ少なかれ組織の問題が出てきます。事故が生じて調べてみるといろんなところがダメなことが多い。すべてちゃんと出来ているのなら事故は起こらない訳で調べれば調べるほど、どんどんボロがでてくるんでしょうね。きちんと事故防止をしているつもりでも細かいところを指摘されると う~んそう言われると
まずいかな?という部分がありそうですよ。


■研究 2003/2/26

みなさんいろいろな視点で、研究をされていると思いますが、
こんなのはどうでしょうか?
事故防止は今までは、上から(リスクマネジャ-から)の通達指導が多かったと思いますが、
視点を変えて、看護者側が事故に対してどの様な不安があるのか、例えば事故をおこしたとき病院はどう対処してくれるのかなどの看護者側からの不安、また病院に対してどの様な要求があるのか、サポ-トシステムなど何を知りたいのか などのアンケ-ト調査をするのはどうでしょうか?

そのアンケ-トを活かすことにより、上からものだけでなく、私たちも参加している、声を聞いてくれていると言うことで事故防止へのやる気になり、受け入れやすくなるかもしれません。また事故防止の管理者側とスタッフとのギャップを感じることでよりよい事故防止が出来るのではないかと思います。

ちょうど 新卒者が入ってくる頃です。ベテランと新卒者の事故に対しての見方、不安の違いなどもおもしろいかもしれません。
事故減少には看護者のモラルとかやる気とかいろいろなものが不可欠です。
おもしろくない?でしょうか?
どなたか調査研究してみませんか?



■雑誌のご案内 2003/2/25
Expert Nurse  Vol.19 No.3 2003 照林社
特集 ME機器事故防止のコツ
トラブル対策とやってはいけないこと
人工呼吸器、パルスオキシメ-タ、除細動器などについて掲載されています。
他のマニュアルなどでは、トラブルが生じた際の対策まで載っているのは、ほとんど無いのではないかと思います。
とおりいっぺんのこうしなさいという手順書よりこういうトラブル対策があると役に立ちます。絵もありますし分かりやすいです。パルスオキシメ-タ一つをとってみても 「こんな事があるんだと」事前に学習しておくと、トラブルを防ぐことが出来ますし、トラブルが起こってもパニックにならず対応できると思います。
いろいろなトラブルがあります。例えば輸液などでは、閉塞、気泡混入、接続部のからの漏れなど。通常の手順書ですとやり方しか書いてないので、予期せぬことが起こると対応できません。(この予期せぬことが多いのですが)
プリセプタ-からの口伝えの伝承だけでは心許ないのではないかと思います。
マニュアルなどが、トラブル対応で書かれていると役に立つと思いますがどうでしょう。


■また、本のご案内 2003/2/18

患者のこころ 医療人の姿勢  鹿内清三 じほう 2003 01  ISBN 4-8407-31004
鹿内清三さんは訴訟の専門官であり現在は国立保健医療科学院講師をされています。「患者のこころ」 医療の広場 政策医療振興財団 で連載されています。緻密であり鋭い洞察です。
この本の目次を少し
●医療事故被害者の心理
   被害者の行動パターン
●過失の存否を決める医療水準
   患者の苦情が賠償請求に転化するとき
●紛争を顕在化させない方策
   患者家族の心理的変化の過程

どうです? 興味深いでしょ?!

詳しくは、株式会社じほう へ



■コロンビア 2003/2/3
チャレンジャ-事故の時 NASAは超巨大な組織でそれによる危険性が指摘されました。
しかし、現在のNASAは予算、人員とも削減されチャレンジャ-の時とは違うようです。
それぞれの事故の背景には肥大した組織、または逆によるものがあるのかもしれません。予算、人員が減少すると組織は沈滞化し安全に影響を及ぼすのではないかと思います。
巨大になってもリスクがあり、削減しても安全が損なわれる。と難しい。
それにしてもNASAほど能力も知識も対処も最高峰だと思っていましたが、それでも事故は生じますね。     


■車の修理 2003/1/22
私の車は、実用性のないへんてこな車のせいか、ポツポツと不具合が出て来ました。修理が終了し「ここが悪かったので部品を替えました」とのこと、また無料ということもあり「あ~よかった」と思いました。 でも後で考えるとそんな妙な不具合がありうるのかなぁ~と少し不安になりました。
友人のメカニックに車の不具合の話をすると、「納得できるまで説明してもらわなくちゃダメジャン!」と言われました。ああ、理解しているつもりのおまかせ修理だったんですね。医療の事では、「納得できるまで説明してもらわなくちゃ」って言っているのですがねぇ…  こんなものです。                        


■情報提供 2003/1/22
読売新聞(1/21)医療ルネサンス 通算3033回 「情報提供こうしたら1」
に 手術を撮影したビデオを手術された患者さんに渡すという記事が載っていました。
すごいことだと思います。これをされている方は、大和成和病院心臓血管外科部長 南淵明宏 さんですが、
手術に自信がなければ出来ない事でしょうが、それ以上によりよい医療への熱意を感じます。
さて同じ情報公開で看護という立場から見てみると、看護は何が出来るのでしょうか? 看護の中身はあんがい一般の人には見えないものなのかもしれません。                                


■震災 2003/1/18

昨日(1.17)は阪神大震災から8年。震災についていずれ書いてみたいと、このHP開設当時から思っていたのですが、どんどん月日は過ぎてしまいました。私の友人も震災で亡くなったり、マンションが全壊になった人などいまして、自分のなかでも書けなくて、そのままになってしまっています。何より思い出深い 神戸…
震災時の時、同級生が勤務で大変な思いをしただろうと、他の勤務の看護師、勤務外でも手伝いにきた看護師、とにかく大変だったと思います…

災害は忘れる頃にやってくると言いますが、事故も同様に気を抜くと大きな災害となってやってくるものかもしれません。そなえよつねに                                       200


■本のご案内 2 2003/1/18

看護展望 Vol.28 No.2 2003 1月臨時増刊号
特集 医療安全をつくる教育と研修
PART氈@医療安全をつくる教育と研修-臨床編
PART シュミレ-ションによる医療安全教育
PART。 医療安全をつくる教育と研修-基礎教育編

これは、なかなか力が入っています。通り一遍のものではなく各施設などでの具体的な方法などが掲載されており、教育、研修担当の方には役に立つのではないかと思います。また、PART シュミレ-ションによる医療安全教育
ですが、従来までも航空機関系、麻酔関係などは、シュミレ-ションによる方法を行っていましたが、看護事故関係のシュミレ-ションについて書かれたものはあまりなく、興味深かったです。

詳しくは、メヂカルフレンド社



■本のご案内 2003/1/15

医療安全ハンドブック 1
「医療安全管理の進め方」編集:医療安全ハンドブック編集委員会 編集協力:厚生労働省医政局総務課医療安全推進室 メヂカルフレンド社 定価4200円 ISBN 4-8392-1170-1

厚生労働省の医療安全対策検討会議の検討成果を基に、医療機関が安全対策を実施していくうえで指針となる事項を網羅しているもので、
目次からは、
氈@医療機関における安全管理体制の整備
 安全に医療を提供するための方策
資料編
とあります。また、医療安全ハンドブック 2  「ヒヤリ・ハット報告の分析と活用」(仮題)
近日刊行予定だそうです。

詳しくは、メヂカルフレンド社




■看護師の94%が 2002/12/28
日本看護協会のアンケートの結果で就職先選びをしている看護師の94%が医療事故対策の充実を条件とあげている。とありました。
実際に働いている立場の人は、病院が事故対策をしているのは良くわかると思います。だが、はたして自分が事故をおこしたときに病院は守ってくれるのだろうか? と疑問を持っている人は多いようです。事故後にどうなるのか心配なのですが、その時はたして病院は守ってくれるのか? それとも…と思ってしまいます。なかには、どうせ守ってくれない。とあきらめている人もいるようです。
おこしてもない事故のために、どうしょうとあれこれなんでも仕方がないのですが、万が一事故をおこしたとき、病院が私たちを守ってくれるというのがわかっていれば安心感はずいぶん違うと思います。
事故防止は当然患者側にむいているのですが、看護者の安全安心のためにも病院は守ってくれる、看護者の不安に対しての行動をしていることがわかれば、仕事はもっとやりやすくなると思うのですが。


サポ-ト 2002/12/1
3ヶ月くらい前から"サポ-ト"を予定していたのですが、全く進みませんでした。
今回ようやくアップしました。うすい内容で、まとまりのないものですが見ていただけたらと思います。
事故防止について系統立ててされている研究などはたくさん出てきていますが、精神的なものなどのサポ-トに関するものはほとんど見られません。事故防止だけではなくそれに関わる人の援助を含めてのリスクマネジメントではないかなと思います。ご感想などありましたら掲示板に書いていただければ嬉しいです。



■CSとES 2002/11/9
CSとは顧客満足で、ESというのは職員の満足だそうです。
いずれの業界も顧客の満足度を上げるためにいろいろな試みをしています。しかし職場環境が悪いとそれは顧客満足度を上げることを阻害する因子になると思います。職員が不平不満ばかりでは事故防止どころか、事故が起きて当然なのかもしれません。やはり質の高い看護を目指すことが満足度の高い看護と言うことになるでしょうし、質の高い看護を提供することによって顧客満足がまし、事故も減少すると思います。
職員の満足度を上げるのにはどうしたらいいのでしょうか? いろいろな制限のあるなか難しいですよね。




■「看護」 Vol.54 No.13 2002 日本看護協会出版会 2002/11/8
11月号の「看護」の特集は、"機能する"リスクマネジメント 専任、兼任、チ-ムでのあり方 です。
特別企画として 医療事故発生時の対応 -看護管理者のためのリスクマネジメントガイドライン-
どちらも重要ですが、
特に医療事故発生時の対応 -看護管理者のためのリスクマネジメントガイドライン- は、1999年10月号の「組織でとりくむ医療事故防止」の最新版ともいえるもので、看護師として必ず目を通しておいて方がよいと思います。


■事故体験を語る 2002/11/1
院内教育などで事故体験者(看護師など)が実際の体験を語ってもらうのはどうでしょうか?
事故の分析も必要ですが、それだけではなく体験者の心理的負担、実際の声を聞くことにより本人の体験がいかせると思います。
場合によっては講義をすること、そういう風にオ-プンにすることによって、事故によって負い目を感じるだけではなく、"役に立っている"という意識付けになるかもしれません。
他のスタッフからの妙な気づかいをされずに認めてもらえるかもしれません。
でも むずかしいかな?


■公益通報(内部告発)支援センター 2002/11/1

最近企業倫理が問題となってきており、内部告発によって問題が表面化するということが多くなっています。
このセンタ-では、多数の弁護士および公認会計士が相談を受け無料でアドバイスを行ってくれるそうです。
対象として医療事故関係では、医療ミスを病院等が組織的に隠蔽し、患者に秘密にしている等のケースを受付けるそうです。

詳しい内容、お問い合わせは 公益通報(内部告発)支援センター へ


■院内の図書館 2002/10/30
朝日新聞10/29 「がん専門病院の図書館に専任司書」
先月開院した静岡がんセンタ-の図書館には専任司書がいるとのです。
がんなどの医学書が多数あるそうで、病院からだけの情報だけでなく、専任司書がいることにより患者が知りたい情報を知ることが出来ます。図書およびインタ-ネットなどから情報を得ることによりインフォ-ムド・コンセントに納得し無用な訴訟トラブルを回避できる可能性があるのではないかと思います。
院内の図書館を病院が整備することも開かれた病院として必要なことだと考えます。




■医療特区 2 2002/10/30
医療特区についていろいろなアイデァが出されているようです。看護も例えば、WOC看護認定看護師、ETナ-スのような特別な技能を修得した人に対しては、看護師が出来る範囲をある程度緩和しても良いのではないかと考えます。専門看護を系統立てて学習しその道のエキスパ-トであったとしても、結局は医師の指示がないと出来ない事も多い。興味のない医師よりずっと知識も技術もあるのに規制があるためにできない。と言うことです。
こういう改革も事故防止につながっていくのだと思いますが、どうでしょうか?             190


■「チーム医療で作る医療過誤」 2002/10/29
「チーム医療で防ぐ医療過誤」と言うのがレジデント初期研修用資料の中にあります。
研修医のためのマニュアルと言うことで、医師が作られています。
さてその「チーム医療で作る医療過誤」ですが、医師から見た目で書かれており、病棟看護師などとは視点が異なっており、異なる目で見ると気づかされることが多いと感じました。
「行き過ぎた合理化は事故を生む」「 事故防止マニュアルではミスは減らせない」など興味深い内容がたくさん書かれています。 ぜひご覧下さい。
他にも「急変時の対応」というのがあります。これはちょっと過激かな?!


■医療特区 2002/10/20
最近、医療特区として 医療分野への株式会社参入を許可しようとしています。 
現在は、医療法の「医業非営利の原則」によって株式会社による医療機関は認めていないとのことです。
トヨタ記念病院ではトヨタ自動車の経営方法を取り入れており、医療品の物流管理はトヨタお得意の「カンバン方式」を取り入れたりしています。物流管理だけでなくトヨタ自動車の経営方法が病院に活かされているようです。
医療法などによりいろいろな制限がありますが、もっと自由になり、医療産業などより他の製造業などの管理システムなどがまさっているところも多いので、それらをいかすことができれば事故防止にも役立つのではないかと思います。


■医療のヒュ-マンファクタ-工学 2002/10/1
事故においてヒュ-マンファクタ-というのは大きな要因です。飛行機、原子力よりも器械的なところが少なく、看護は、人間の手によって行うことが多いと思います。
Medical Human Factors TOPICS
 というペ-ジにヒュ-マンファクタ-工学用語解説からエラ-防止ヒント(工夫)の紹介、Q&Aコ-ナ-などたくさんあります。まだ工事中のところも多いですが、"エラー防止ヒント(工夫)の募集"というのもあり個人、施設単位の工夫をみんなで共有できるといいなと思います。


■物品管理 2002/9/27
人工呼吸器などの医療機器は、臨床工学士などによって一括管理メンテナンスをしているところがあります。
この間、褥瘡の講演を聴いてきました。
褥瘡が出来ることは、看護事故につながっていくのですが、その病院では、エアマットなどの褥瘡予防物品を病棟管理にせずに中央制にして管理しているそうです。病棟毎の管理であるとデッドストック(死蔵品)がでたり、必要物品がなければ各病棟に問い合わせるという事をしなければなりません。中央制にすることによって、適切な物品を使う事が出来、褥瘡予防に効果を上げ、そして看護事故防止につながっていくと思います。
物があっても適切な管理方法をしないと効果が上がらないことも考えられます。


■「チャレンジ! 医療事故防止」2 2002/9/27
さて下の"与薬事故を防ぐバ-コ-ド管理システム" の金額ですが、横浜総合病院では、携帯端末8台、パソコンなどのセットで1病棟で約400万円だそうです。これを高いと見るか?安いと見るか? 一度事故があると賠償金も膨大なものですが、それによって動く人件費であるとか、時間もものすごくかかります。それを考えると400万円は…と思います。しかし、事務系は請求したものをホイホイ買ってくれるわけもなく、コスト対効果をちゃんと実証しないと難しい。看護経済学者か誰かが試算を出してくれれば良いんですけどね。事務系は、システムとか用具などが、どんなものなのかわからないでしょうから説明しないと、まぁ事故防止のための物品も買ってもらうためにいろいろと努力しているようですよ。


■「チャレンジ! 医療事故防止」 2002/9/27
Expert Nurse Vol.18 No.12 2002 p.110~113  「チャレンジ! 医療事故防止」の第2回です。 
"与薬事故を防ぐバ-コ-ド管理システム"  
より
これは、横浜総合病院がシステムを導入しています。面白いなと思ったのはそもそも大手食品メ-カ-がドレッシングを製造する際に従業員が配合事故を起こさないように開発されたもので、このシステムを医療に応用できないかと言うことで横浜総合病院に持ちかけたそうです。このように他の業種と協同ですると業種外の蓄積されたノウハウがいかせるので、面白いのではないかと思います。最近は、コラボレ-ションという言葉がはやっていますので、異業種と組むことで管理面以外でも面白いことが出来るかもしれません。
今回は、病院側が持ちかけられたらしいですが、こちらから積極的に異業種からの取り入れをしてみればどうかと思います。コンビニの物流システムなどはどうでしようか。


■コンプライアンス(法令順守) 2002/9/22
最近 コンプライアンス、企業倫理、内部告発という言葉がよく聞こえてきます。コンプライアンスという言葉は英語ですが、看護診断などでも出てきますのでご存じかもしれません。企業によってはコンプライアンス部門を作り不正行為の防止などを行っているところがあるようです。病院における事故防止は、原子力、航空機等のシステムをお手本としてきているのですが、その原子力がこのていたらく。電力会社は不買運動をされることもなく言うなれば独占なのでそういうところからおごりがなかったのかと疑問に思います。企業は潰れていますし、病院もあっという間に大幅に減収になってしまいます。今度は、電力会社がコンプライアンスを学ばなければいけない時なのもかもしれません。それにしても法令順守しないのが当然になってきているのでしょうか? 昔の生真面目な勤勉な日本人はいなくなったのでしょうか? それとも昔から日本人はこんなものだったんですか?


■看護師が涙で抵抗 2002/9/20
東京女子医大の心臓手術ミスの初公判が18日にあり新聞各紙で報道されていました。その中で朝日新聞 9/19付けは、看護師のことについての記述が多く、記事から引用させていただきますと
[…記録の一部を改ざん。まず、看護師に対し「言う通りにすればいいんだよ」と怒鳴って瞳孔の数値を書き換えさせた。それでもつじつまが合わないため全面書き換えを企てた。看護師らは改ざんを嫌がったが、瀬尾被告は「僕のためでなく、心研(心臓血圧研究所)のためだ」と強弁。看護師はいったんこれを受け入れ、書き直しを始めたものの、「やっぱり泣けてやれません」「やるなら先生がやってください」と拒否したという。]
ちょっと ほっ としました。少なくとも看護師は患者さんの方を向いていたのだと…にしても高圧な態度、心研(心臓血圧研究所)のためだという詭弁。まだまだ医師と看護師というのはうまくいかないものなのかもしれませんね。


■本の紹介 2002/9/15
「書きたくなるヒヤリ・ハット報告」川村治子 医学書院 の続編で
「ヒヤリ・ハット報告が教える 内服与薬事故防止」川村治子 医学書院 があります。
更に続刊として「転倒・転落事故防止(仮)」が予定されているようです。
川村治子さんは、「医療のリスクマネジメント構築に関する研究」で一万例以上の看護のヒヤリ・ハット報告を収集・分析しています。たくさんの事例より裏ずけられたものですのでいいと思います。


■「キュアリング・ヘルスケア」 2002/9/8
9月8日の読売新聞の書評に「キュアリング・ヘルスケア」D・M・バ-ウィックほか著 中山書店 がありました。
アメリカにおける医療の質改善のための実証研究だそうです。その調査に日本の製造業による「品質管理システム」を現場の評価に導入したとのことです。病院を巨大なプロセス産業と見て医療産業にも製造業で用いられるシステムの導入が可能ということで、その調査の結果、低コスト作戦は医療ミスによる訴訟金などを生むので得策でないなどと書かれていました。まぁ詳しい内容は、本を読んでいただくとして 日本の製造業による「品質管理システム」を導入したというところがおもしろい。せっかく日本にいるのだから「品質管理システム」を学んでみれば、いっそのこと製造業にシステムを検証してもらうというのはどうかな? 無理?!                 180


■内部告発4 2002/8/30
東京電力の隠蔽が明らかになったきっかけは内部告発だそうです。
原子炉等規制法が00年7月に「法令違反の事実を内部告発した者に対して不利益な取り扱いをしてはならない」と法が改正されていた。内部告発文書が旧通産省に届いたのが同じ00年7月だそうです。
それにしても対応が遅い。遅すぎる。調査する側も機能していなかった。もしくは意図的に隠そうと…とられてもしかたないのではないかと思ってしまいます。
またこれからたくさんのことが出てくるんでしょうね。


■ユニ-ク 2002/8/27
以前に「医療過誤防止カルタ」がありましたが (■医療過誤防止カルタ 2001/6/21) 今回は、"劇" です。
Expert Nurse Vol.18 No.11 2002 p.102~105 に  "ヒヤリ・ハット劇場"でエラ-が激減した! より
"ヒヤリ・ハット劇場"なるものを佐野厚生病院(栃木県)が行っています。医療ミスに関する劇をするのですが、準備から上演までものすごく時間をかけているのだと思います。自分たちが時間をかけ動いて行い、また文字ではなく劇としてとらえているので理解しやすいでしょうし、印象に残るものだと思います。表現できる、共有できる事がいいのだと思います。こういう試みをしていると事故を隠そうとすることも減ってくるのだと思います。
最後には、医師が作詞作曲した「ヒヤリ・ハットの歌」を合唱するんですって!

この記事は、Expert Nurse の「チャレンジ! 医療事故防止」の第一回目です。二回目以降もたのしみです。
いろいろな試みがありますねぇ。


■厚生労働省基準適合品 2002/8/27
日本看護協会の医療・看護安全管理情報 No.8  「経鼻栄養チュ-ブの誤挿入・誤注入事故を防ぐ」 より
たくさんの誤接続防止商品が厚生労働省基準適合品として掲載されています。
経鼻栄養チュ-ブ、カテ-テルチップと様々な色の製品があります。
医療事故対策の業界の適合品であるのなら、もう少し色の統一をすればよかったのではないかと思います。バリエ-ションが増えることはよいことのように思いますが、一方ではそれがまた事故につながりかねないのではないかと思います。つまり色によっての用途は施設などによってバラバラとなる可能性があり全体として統一されたものにはならないのではないかと感じます。
あとチュ-ブにラインが入っているものだとル-トをたどりやすく、チュ-ブの中身も見やすいのではないかと思いますが…どうでしょうか?!


■謝罪 2002/8/20
また、またまた、いろいろなところで謝罪をしています。テレビを見ていると同じような画像ばかり、
聞くところによると事前におじぎのタイミングとかを練習するらしいですし、メイクもそれようにするらしい?です。
謝罪の効果的な方法は?  まず必ずトップがでる。心から謝罪する。原因究明に全力を尽くす。すぐ対策をする。情報公開をする。 と するのがよろしいようで


■報道のあり方 2002/8/20
8月18日の新聞各紙に 国立がんセンタ-のがん手術大量出血死が載っていました。
止血などに問題があった可能性があるため医療事故として厚生労働省と警視庁に報告した。
警察に報告したことで新聞の記事になったのだと思いますが

INR インタ-ナショナル ナ-シング レビュ- 107号 Vol.25 No.4 日本看護協会出版会
特集 リスクマネジメントの新しい展開 事故後のサポ-トの実際 
管理者の立場から事故後の長期的建て直しを考える  3施設へのインタビュ-を基に  村上美好
p.46~47
 から 抜粋引用しますと、
「若い前途あるナ-スを責めないでほしいと力説され、そのナ-スを育ててくれるほうが患者も喜ぶと言って警察への届け出を拒否された。…(中略)…ところが、15日の東京新聞にこの事故のことが報道されてしまったのである。次々と朝から遺族へマスコミが押しかけ、電話攻めで妻は体の調子を崩して同病院で治療を受けることになってしまった。いら立った遺族は、警察に届けないと約束したのに病院は守らなかったとなじり、報道陣もまた病院に踏み込んでくるという大混乱を招いてしまった。」
とこのようなこともあったそうです。今回の
国立がんセンタ-の件は、はっきりと医療事故と確定したものではないように感じます。それでも報道されるのは、国立がんセンタ- ゆえでしょうか?


■NOと言える看護職 2002/7/28
東京女子医大の改ざんのことで日本看護協会が協会ニュ-スに発表がありました。
法律や倫理に反する場面では疑義申し立てを とあり、4点を提起しています。

1.個人として、勇気を持って疑問を提起しよう。上司や同僚として、疑問や意見を出せる職場づくり、勇気を持った発言を支援しよう。
2.組織として、個人が感じている疑問を取り上げるル-ルや場(第三者を含めた倫理委員会など)の体制整備を進めよう。
3.法的整備として、倫理的、法的、専門的に疑義のある場合の申し立てを、薬剤師法のように義務づけることを推進しよう。
4.現場の看護職が、どのような状況下においても、法律はもちろん「看護師の倫理規定」や「看護業務基準」を遵守して、専門職性に即した業務が行える状況を、早期に実現しよう。

協会ニュ-ス vol.421 2002 7月号 より引用
■内部告発2 7/13 に少し書きましたが、倫理的問題も日頃から話し合っていかなければいけないと思います。
また、東京女子医大のように緊急性を要する倫理的判断を迫られる場合もありますし、判断に困るグレ-な部分もあるかと思います。日頃からの倫理観を養うと同時に病院側が責任を持って判断できる緊急時の窓口があればと思います。そうでないとグレ-ゾ-ンの場合、自己のみの判断では、問題となることが出てくるのではないかと思います。


■内部告発3 2002/7/26
あるメ-カ-は、事故、不正行為、セクハラ、著作権侵害などを察知した場合、危機管理担当者に報告義務を明記した。もちろん報告者は、嫌がらせや差別待遇などの不利益を被らないという規程もあるそうです。
事故は当然としても、セクハラなどの対応と危機管理担当者は、いろいろ大変ですね。でも危機管理は、事故だけでなくいろいろな危機があるんですね。リスクマネジメントは事故防止だけではなく、実はリスクの幅って広いです。セクハラの対処までしなければいけないとはいろいろな知識が必要だと思います。


■おすすめ 2002/7/20
6/21に書きました。
INR インタ-ナショナル ナ-シング レビュ- 107号 Vol.25 No.4 日本看護協会出版会
の特集 リスクマネジメントの新しい展開 事故後のサポ-トの実際 ですが、その中の
事故後の精神面のサポ-トを考える リスクマネジャ-の持つリエゾン機能   釜 英介
釜 英介さんは、日本の精神看護の草分けである都立松沢病院で、精神看護専門看護師の資格を持っているという精神看護のプロ中のプロといえる方です。
詳しくはぜひ本文を読んでいただきたいと思いますが、今まで事故防止をやっきになってやってきたと思いますが、事故をおこした看護師の精神的フォロ-に関しては、ほとんどありませんでした。これには具体的な事例もあり、ここまでできるんだ、本当のサポ-トなんだと感心しました。
ぜひリスクマネジャ-の方に読んでいただきたいと思います。そして、事故をおこした人だけでなく、それ以外のところでもサポ-トをしていただければと思います。


■内部告発2 2002/7/13
6月29日のdiaryで内部告発について書きましたが、
高知県は 業務が違反にならないか、上司に命じられた仕事に問題を感じた場合などに、外部の識者による相談員に相談し、告発できる制度を導入するそうです。高知県は、不正融資事件で融資に反対した職員が逆に上司にしかられるという事があったそうです。
医療事故についても医療者側の相談窓口を誰がするのかはっきり決まっているといいと思うのですが
患者からの医療事故の訴えを聞く相談窓口は、整備される予定ですので、ぜひ医療者側の相談窓口も整備されたらよいと思います。まぁ7月3日と同じような内容ですが…倫理的に問題を感じたとき、医師の指示に問題を感じた時、など相談窓口があればよいのではないでしょうか。



■改ざんと記録 2002/7/8
東京女子医大の医師が逮捕されたのは、記録の改ざんが原因ではないようです。記録の改ざんに関しては、倫理的な問題だけで法的にも決められていないようで、これによって罰則されることはないようです。カルテ開示、インフォ-ムド・コンセントの流れから明らかに違う方向だと思います。現場において、記録に対してナ-バスになっていますが、法的に意味がないということより記録と言うことを軽視しているのではないかと思いますし、改ざんを容認する雰囲気があるのではないかと思います。このあたりの法制化をすることも事故防止において大切なことではないかと考えますが…                                          170


■改ざんの指示2 2002/7/3
さて、自分が改ざんを指示された場合どうするでしょうか? 
どうしてよいのか悩むこともあると思います。いろいろなしがらみもあるでしょうし…
そんな時、相談にのってくれる中立的立場のものがあればいいと思います。リスクマネジャ-とか、医療安全室などがそれに当たるものになると思いますが、そこまで行っているところは少ないのではないでしょうか?
リスクマネジャ-はインシデントの収集分析だけではなく、病院の無為な傷口の拡大をさけるためにも事実を知りサポ-トも含め看護師の相談窓口になってくれればと思います。また同時に各職種間の調整をし、人間関係が悪くならないようにリスクマネジャ-によるサポ-トが必要だと思います。
トラブルがあった時、リスクマネジャ-に言い、リスクマネジャ-に的確な判断をしてもらうことができれば、"改ざんを指示された"などの時、自分だけで悩みしがらみに左右され、将来を棒に振ることも無くなるかもしれません。


■部下 2002/7/2
東京女子医大に関する最近のさまざまな報道によると、「容疑者の指示に看護師長と臨床工学技士は、いったんは従ったが、途中で拒否」とか「容疑者である医師が数人の部下に記録の改ざんを指示し、看護師長と臨床工学技士が従ったが、それ以外の部下は拒否したとのこと」まぁ いずれにしてもまだはっきりとはしていませんが、拒否はしているらしいです。
いろいろ気になることがあるのですが、そのうちの"部下"という言葉です。看護師長、臨床工学士は、部下なんですか? チ-ムの一員ではないのですか? 看護記録は、医師の指示で書くものですか? これは報道が部下としているのか、それとも東京女子医大が看護師長などを部下と表現しているのかわかりませんが、いずれにしても認識不足だと思います。看護を看護として独立したものとしてとらえて欲しいと思います。


■内部告発 2002/6/29
東京女子医大の事故が明るみに出るきっかけは内部告発だったそうです。内部告発の手紙を被害者の家族が受け取り、そして家族が大学病院に調査を依頼したそうです。他の医療事故においても何がきっかけで事故が明るみに出たのか報道ではわからないことが多いのですが、内部告発が多いのかもしれません。内部告発というとどうもマイナスイメ-ジでしかないのですが、密室のこと故 組織の自浄として内部告発というのも必要なのかもしれません。
英語では少し意味は異なるようですが内部告発のことを"whistle‐blowing"と言い「警笛を鳴らす」という意味があるようです。今まさにホイッスルが鳴っているんだと思います。
院内における内部告発があっても良いのではないかと思います。その場合には、犯人探しをおこなわず、意見に対してちゃんと調査するなどの決まりがないと困りますが、まあ内部告発を奨励するというのもおかしなものですが、これだけ隠蔽すると組織防衛としても必要かな?と思いました。

■改ざんの指示 2002/6/29
東京女子医大の心臓手術ミスで医師2人が逮捕されました。これも大きな問題なのですが、
医師の一人が看護師長に指示して看護記録に記載されていた瞳孔の直径を実際の7ミリから4ミリにするなどして書き換えさせていたそうです。さらに臨床工学技士にも指示をして、記録の改ざんをさせたとのです。
警察は、看護師長と臨床工学技士を証拠隠滅容疑で書類送検する方針と報道されていました。
病院ぐるみの隠蔽になりますが、看護師長は、そこで拒否できなかったんだろうか? 指示されると書かなくてはいけなくなるような雰囲気だったのでしょうか? いろいろなしがらみもあるでしょうが、看護は看護としてちゃんと筋を通して欲しいと思います。


■情報 2002/6/27
情報 にセミナ-、ソフトウェアを追加しました。
医療におけるリスクマネジメントシリ-ズ~ヒュ-マンエラ-防止手法セミナ-~の講師の河野 龍太郎 と言う方は、元航空管制官で、エラ-防止を目的に心理学を勉強し、東京電力には入ってからは、原子力発電におけるヒュ-マンエラ-の問題に取り組んでいるそうです。航空関係、原子力関係が事故防止の面では医療事故防止のお手本となっていますので航空も原子力もどちらも知っているというのは興味がありますねぇ。



■夏至 2002/6/21
INR インタ-ナショナル ナ-シング レビュ- 107号 Vol.25 No.4 日本看護協会出版会 (7月1日発売予定) 
の特集に リスクマネジメントの新しい展開 事故後のサポ-トの実際 というのがあるそうです。
楽しみです。今そのあたりのことを調べており、次のテ-マとしてポツポツと書き始めたところなんです。
事故後の当事者への対応、患者、家族への対応サポ-ト、事故直後の実際、事故報告体制、訴訟の場合どうするか、
マスコミとの関係などたくさんの考えなければいけないことがあります。事故後は、事故が生じてから考えていたのでは遅いことが多いと思います。大切なんですけどまだまだこれからという部分だと思います。私も少しずつでも…
とりあえず 報告体制のいろいろを、まずはアップしようと思っていますが いつになりますやら




■シンポジウム 2002/6/15

以前に講演を医療事故の被害を受けた人、家族にしてもらったらどうでしょうか? と書きましたが
朝日新聞 6月13日のくらしの欄によると、いろいろと試みている病院があるようです。
記事によると、新葛飾病院では、シンポジウムに医療事故の被害者の家族が出席し、その事故について、医師、看護師が経過などを振り返り発言し、対応策を考えたりすることをしているそうです。

また同記事には、枚方市民病院の「医療事故等防止監察員」のひとりに医療事故の被害者の家族がなっているともありました。医療側も排他的にならずに病院だけでなく社会全体で取り組めつつあるような感じがします。



■日常生活上の事故 2002/6/11
日常生活においてもたくさんの予期することが出来ないいろいろな事故が生ずるものです。
ポットの事故があります。ポットのコ-ドと本体の接続は、磁石になっていてパチッとうまくはまるものになっています。ところがその磁石の部分にクリップがついてしまい、コ-ドを接続したさいにシヨ-トし、火災になった事例があるそうです。これは、誰もそんなこと思っても見なかったことだと思います。えっ~こんな事が起こってしまうのだという考えられない事故も多いと思います。


■法律 2002/6/10
「医療の広場」財団法人 政策医療振興財団 というちょっと聞き慣れない雑誌に "患者のこころ"というコ−ナ−があります。鹿内清三 (国立保健医療科学院講師)という方がかかれています。
5.6月号 では、Q&A形式で、わかりやすく実務的に書かれています。
興味深い質問としては、
ヲ主治医の許可を得て早朝散歩をしている患者が病棟外で転倒した場合、誰の責任か。
ヲメンテナンスをしているに関わらず輸液ポンプが誤作動した場合、誰の責任か。
ヲ看護師の人員不足が医療事故につながっているのではないか。改善の見込みはあるのか。
などたくさんの難問について答えられています。鹿内清三さんという方は、有名な方で著書もたくさんあり内容もすばらしいものなので機会があればぜひ読んでみるとよいと思います。

さてその中で、横浜市立大学のいわゆる患者取り違い事故の判決に触れた文がありました。ご存じの事件だと思いますが、これはたくさんの医師、看護師が関与した事件なのですが、看護師が医師よりも重い過失を問われたものです。個人的には、この判決において看護師のみ罪が重いということは、おかしいのではないか。と思っていました。しかし、ここにおいて責任の軽重は、過失の優勢か劣勢かによって決められるものであるから 正当な判決であると書かれていました。
法律というのはよくわからないです。同じようなミスをしても罪の大きさは変わってくるんですね。


■必見 2002/5/29
今度は、ホ-ムペ-ジの紹介を。
日本エアシステム CRM CRMというのは Crew Resource Management のことで、飛行中などに危機、トラブルなどがあった場合、航空機の操縦室内における利用可能なリソース(乗務員、機器類、情報等) を活用し危機をのりきるというマネジメント方法です。
内容は実際的で、役に立ちます。航空業界という異業界ですが、患者取り違え事故に関しても分析されていますし、慶応大学医学部と協同でビデオを作ったりもしています。
一度ぜひ見てみてください。医療界よりも航空業界のの方が事故対策は、数十年進んでいるというのがうなずけると思います。                                            160


■国民性 2002/5/19
これまた、失敗を生かす仕事術 畑中洋太郎 講談社現代新書 2002 p.181 より要約抜粋 なのですが
ある会社である作業者のミスのために不良品を出してしまったそうです。その量は、生産の十分の一の量という大量なものだったそうです。さて会社はどうしたかというと、「本社には隠しておきましょう」そのかわりこれから2年間全く不良品を出さないように頑張ってその作業者のミスをカバ-しようというものだったそうです。さて、これを聞いた筆者(畑中洋太郎氏)は、「本来のラインの管理としては正しくない処置です。しかし、作業者とその直接の上司だけが一方的に処分され、失敗対策が精神的訓話的な処置で終わってしまうような職場であったとしたら、決して悪いことではないように思います。むしろ的確な対応をされたといえるのではないでしょうか」とあります。更に、リカバリ−にミスひとつ許されず、この間は通常の仕事のやり方とは別の部分にある目的を自発的に持って行動できたのですから、個人の成長という意味で考えてもすばらしい経験が出来たのではないでしょか。
どうでしょうか? 私としては、ムムムなのですが…



■失敗原因の分析 2002/5/19

以前に(2001/11/25)ポカヨケ大図鑑というタイトルでミスの分類を書きました。
今回は、失敗の原因の分析です。
1.未知
2.無知
3.不注意
4.手順の不遵守
5.誤判断
6.調査・検討の不足
7.制約条件の変化
8.企画不良
9.価値観不良
10.組織運営不良

2から6では直接行動をとったものが原因
7から10は管理するものが原因
1は、現象とそれに至る原因をだれも知らないために起こるもので防ぎようがないもの。

失敗を生かす仕事術 畑中洋太郎 講談社現代新書 2002 p.111 より要約抜粋
もう一つ本の紹介を
この国の失敗の本質 柳田邦男 講談社文庫 2002
医療事故から戦史など多岐にわたっています。これを読むとやはり事実を明らかにしないのは国民性なのかなぁ~と思ってしまいます。


■川崎共同病院 3 2002/5/19
やっぱり看護師が関係していたようです。筋弛緩剤を医師の指示でICUまで取りに行き、注射をしなさいと指示されたとか…医師の指示とはいえども、もし施行してしまったら、加害者になるんでしょうね。
知識がないと加害者になってしまうこともあるということです。それにしてもそもそも助けるための知識は勉強していても、これをどう悪用するかなんて学びませんからね。知識もちゃんと持ち、不信なところは、看護としてきちんと言えるようでなければいけないと思います。
が、自分がこの立場になったら 知識がないので言われるとおりにやってしまうかも…と怖い。


■おかげさまで 2年 2002/5/1

このホ-ムペ-ジもみなさまのおかげで3年目に突入です。この2.3年の間に看護事故関係の本も増え、研究も熱心におこなわれています。厚生労働省などの行政の取り組みも速度が速まった気がしますし、内容的にもすばらしいものが出来ています。実施に関してはともかく、事故防止についての取り組みの概略はずいぶん考えられてきたと思います。また、市民の事故に関する意識の向上も過去に比べて大幅に変わったと思います。
これからは、事故が生じてからどうしていくかということを考えていきたいと思います。あまり事故が生じてからのサポ-トを書かれたものも少ないようですし、まだまだ欠けているところではないかと感じているからです。
ゆっくりですが、ホ-ムペ-ジにアップしていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

また本の紹介を(これも読んでいませんのであしからず)
看護部のための医療・看護事故防止読本-リスクマネジメントのすすめ 萩原輝久 経営書院 2001


■看護師による保険金殺人 2002/4/29
看護師の行政処分のほとんどは、医療事故などのミスによるものではなく、殺人などの犯罪によるものらしいです。
ってことでまた処分されるんでしようが、あまりにも劣悪な看護師です。点滴ミスをした同僚看護師を脅したりと
とんでもない人ですが、こんな人がいるんですね。それにしてもチュ-ブをからアルコ-ルを入れる方法を良く考えつくものだと驚きます。自分の能力、知識を悪に使うなんて、こういう人は、看護倫理以前の問題だと思いますがね。


■小学校 2002/4/27
子供が行っている小学校6年生の教室にある黒板の横に標語が貼ってあるのですが、「過失最大のものは、まったくそれに気づかないことである」子供たちが大人になったときはもう少し良い社会になって欲しいものだと思います。それには、やはり今の大人がちゃんとしとかないと、反面教師ばかりじゃ…困りますよね。


■15003件! 2002/4/24

厚生労働省によると全国82の特定機能病院の00年4月から02年2月までの院内の安全管理委員会に報告された医療事故が15003件、ニアミスは186529件 すごい数です。看護師が関係しているのはどれくらいの数なんでしょうか?
医療事故の報告の最多が、北里大学病院で2929件とありました。他にも病院名と事故の種類が報道されていました。
情報公開はまことに結構だと思いますが、もうすこし報道に工夫があっても良いのではないか思います。単純に北里大学病院は、事故件数が最多なので危険な病院ととられないか心配です。私としては、北里大学病院にパチパチパチと拍手なんですが…
後で調べたところによりますと、神奈川新聞には、厚生労働省は「医療事故の定義が病院ごとに異なり、報告件数が多いからといって『危ない病院』と即断するのは誤り。年一回の立ち入り検査で他の病院に比べて報告件数の少ない病院に対しては、報告件数を上げるよう指導している」と話している。とありました。

更に、これだけ大規模に集めた情報をどのように活かしていくのか楽しみです。まさか、集めただけでデ-タ-を出さないということはないですよね。

もう一つ、3月7日の日記に書いていますが、
「朝日新聞社の調べによると国立病院、療養所などが2000年4月から2001年12月までに厚生労働省に報告した医療事故は、計147件にのぼるとのこと。」
これはどうなっているんですか? あまりにも差がありすぎる。特定機能病院と国立病院、療養所の意識の差ですか?

どんなもんでしょう?

■真の評価 2002/4/23
日本医療機能評価機構は、事故防止対策を強化するために審査項目を倍以上に増やすと公表したらしいです。
そうすると、医療機関からの機能評価申請が3倍近くにのぼったとのことです。
実はこれ審査項目が増えてたくさんの項目を日本医療機能評価機構がチェックしてくれるから増えたのではなく、審査項目が増える前の基準で認定を受けようとする駆け込み需要なんだそうです。
全く自分たちの体裁だけで、肝心の中身はどうでも良いみたいで、真剣に事故防止に取り組んでいるんだろうかと疑いたくなります。たくさんチェックしてもらえればそれだけ改善できるのにね。

■川崎共同病院 2 2002/4/22
看護記録に筋弛緩剤が投与されたことが書かれていたんですね。前後関係などまだ何もわかりませんが、看護師が関係しているとすれば、医師を止めることが出来なかったのでしょうか? 
過去に同じような事例がありましたが、その時は、看護師が拒否したという記憶があります。

■川崎共同病院 2002/4/21
3年以上前に筋弛緩剤の投与で患者が亡くなった事件で、昨年に内部告発があり 現在おおやけとなり、問題になっている事件ですが、
3年以上もたってからの公表は、どうあっても良いようには言われることがないので難しいでしょうね。
事故が生じて情報を公開するにしても、実際には、どの時点で、誰に対して、どのように公開していくのかという問題があるのではないかと思いますが、どのようにしてるのでしょうか? やはりマスコミが主導になるのですか?
もうあまり医療事故の会見は見たくないですねぇ。                          150

■本 2002/4/19

看護スタッフのための医療事故防止教育ガイド 土屋八千代 日総研出版 2002/1/30
―目 次―
第1章 新人の起こしたインシデント・アクシデントの事例とアセスメント
1.療養上の世話に関する事故
2.医師の指示に基づく業務に関する事故
3.観察情報・その他
第2章 卒後教育の中でいかに事故防止について理解させるか
1.新人看護婦に事故防止を教育する視点
2.新人がインシデント・アクシデントを起こす原因
3.事故防止のために卒後教育はどのようにしていくべきか
4.なぜ事故報告をしなければならないか
5.新人のインシデント・アクシデント報告を推進する方法
第3章 基礎教育の段階で看護事故についての学生教育をどのようにしたらよいか
1.新人の事故の特徴から看護基礎教育を見直す
2.看護基礎教育と医療事故防止
第4章 看護事故の法的問題
1.看護専門職の法的責任
2.看護業務の解釈と問題点
3.看護職に求められる注意義務
4.医療過誤成立の条件
5.今後の課題
第5章 医療訴訟・医療事故の現状
1.診療の補助行為における事故例
2.療養上の世話に関する事故例
3.その他:事故の隠蔽、カルテ改ざん、偽証

学校における基礎教育から新人教育に的を絞ったものです。読んでいませんので
とりあえず ご紹介まで

■いいわけ 2002/4/16
事故を起こした人が いいわけ、いいわけで閉口してしまうことがありますが、よく聞いているとその言い訳の中にヒントがあるときがあります。「あそこがあ~だから事故になった、私は悪くない。前の人がこのようにしていたから…」と もっと言い訳をしてもらいますか? 分析をしなさいと言うとなかなか出来ないけど言い訳はいくらでも出来ますからね。

■医療事故の相談窓口 2002/4/12
厚生労働省は医療機関計約六百施設を対象に、患者から医療事故の訴えを受け付ける常設の相談窓口の設置を義務付ける方針を決め、来年四月までの実施を目指すそうです。
また、中立の立場の公的な「医療安全相談センター」(仮称)整備も推進していくとのことで、
医療事故防止、被害者救済などの相談が出来ることなどの両面から対策をとっています。
企業には、クレ-ムに対して対処する部門があるところが多いのですが、
病院は、苦情に対して対処する部門は、あまりありませんでしたので、いいことだと思います。
さて、相談窓口については、病院の関係者がするのだと思いますが、どこまで出来るものか楽しみです。
身内に甘くなりがちですからね。出来れば第三者がと思いますが なかなか難しいですよね。

■「行ってはいけない病院」  2002/4/2
「行ってはいけない病院」丹羽幸一 セルフケア・ニュ-ス
新聞にこの本の紹介がありました。私はこの本を読んでいませんが、医療ミスとその対応の観点からのランク付けだそうです。評価基準は、「院長の改善意欲」「構造改革進行度」「防止策内容」「情報公開」の五項目を五段階評価しているとのことです。その中で、もっとも評価の低いのが横浜市大医学部付属病院だった。そうですが、
そうなんですか? あの事故以来、分析から対応そして情報公開まで行っておりネットで知りうる情報としては最も多い部類だと思いますが、そして新聞の最後には、丹羽さんは「もっとも苦労したのは、いかに客観的な院内情報を集めるかということ」とありましたが…

■4月1日  2002/4/1
交通事故防止結構なことです。ご苦労様です。事故がないように日々努力しておられる、たいしたものだと思います。大変ですね。事故を未然に防ぐというのが効果的なんですよね。事故が起こらないようにいろいろ工夫をされているんですね。
右折禁止のところで捕まりました。集中的に取り締まっているようで続々と捕まっていました。違反する人が悪い。でも違反をすることがわかっているなら未然に防ぐために注意をすべきではないですか? 違反をしそうなところで取り締まりをするんですね。事故が起こってから事故が起こると思っていました。やっぱり事故ったかぁ~ なんて言ってもねぇ。
エイプリル フ-ルであって欲しかった…

■罰則  2002/3/21
厚生労働省は、全国すべての病院に対して、院内報告制度、継続的な職員の研修、事故防止指針などが守られていなければ、医療費の支払いを一部削減する「罰則」をおこなうという案を作成し、今年10月から実施予定とのこと。
まぁ結構なことだと思います。でも医療側が率先してやってなくちゃね。省からの指導があってから整備するというのでは困りものだと思うのですが…

■ヒヤリ・ハット不要論?  2002/3/20

私より少し賢い友人のSくんによるとヒヤリ・ハットは不要だと。
彼の論はこうです。
提出されたヒヤリ・ハット数が実際にある数の数割程度しか報告が無く、しかも報告の内容が乏しく活用できるものは、報告のあったほんの数%であり全体からから見ると微々たるものである。報告の内容が乏しいためほとんどが通り一遍の~に気をつけましょうで終わり具体的なものは、何もない。参考となるところもない。
またヒヤリ・ハットに記入したり、分析にかかる時間を考えると非常に非効率的であるのでヒヤリ・ハットを記入することは止めた方がいいというもので、これらのデ-タ-を積み重ねていくことは、単に量的デ-タ-の分類をして行くのみで乏しい質的デ-タ-からは、具体的な対策にはつながりにくい。またいくらヒヤリ・ハットを集めたところで事故を起こしやすい人の傾向は変わらないためそのあたりからもヒヤリ・ハットは意味がない。
事故防止はどういう風にしていけばよいのかというと、いままでのデ-タ-からほとんどの場合は逸脱しないだろうからリスクマネ-ジヤ-が質管理を徹底すればよい。また事故には、ある種不可抗力的な面を持っているため逸脱するような微細なところまで全部防止しようとすること自体が間違いであり、不可能である。

というものですがどうでしょうか?

■体験 2002/3/10
下の「記念日」にありますが、看護事故の体験者から学ぶことは多いと思います。体験、事故事例から分析、対策と進んでいくのですが、その他に看護事故の体験者が感じたことを言ってもらうのもおもしろいと思います。
たとえば、事故が生じてバタバタするのですが、「同室の患者さんは、どう感じたんだろ~」と感じることがあります。 同室者の患者さんは、何が起こったのか?事故か? など不安になったりする事も考えられます。そのあたりのことは、当事者でないと感じられないものだと思います。つまり、他の患者への配慮も考えなければいけないと思います。理論的に事故対策をおこなうことはもちろん大切ですが、事故だけを見つめたものでは、このあたりのことは、なかなか出てこないと思います。

■記念日 2002/3/8

このホ-ムぺ-ジの文献のところは、研究の文献が多いので1997年からは医中誌などの検索をお使い下さい。と手抜きをしています。文献には、本、雑誌とは違いユニ-クな研究があります。

第32回 日本看護学会論文集 -看護管理- において133題のうち事故関連のものが15題ありました。
その中に 
「看護事故と看護者の経験構造」 -回想による体験過程の分析-
川崎医科大学付属川崎病院 平本美津惠 他5名

この研究は、事故を起こした人に面接法により事故発生時の原因、事故直面時のショックの時から回想による事故の再編について述べており、事故原因の明確化とリスク感性の高まりが明らかになったとあります。

このホ-ムペ-ジは、事故が生じてからのサポ-トなどがオリジナルなところなのですが、文献など事故防止に関しての研究は多いのですが、事故後についての研究。事故を起こした人の心理的、社会的サポ-トになどについて研究されたものは少ないようです。私も、事故を起こした人の事故における心理的変化と心理的なサポ-トの必要性を事故経過、事故の程度などによる因子による研究をいずれしてみたいと思っているのですが、なかなか出来ないです。どなたかしてみませんか?! 

表題の「記念日」は? 誕生日なんです。フフフ

■21ヶ月で147件 2002/3/7
朝日新聞社の調べによると国立病院、療養所などが2000年4月から2001年12月までに厚生労働省に報告した医療事故は、計147件にのぼるとのこと。
内容の種類は、
手術時ガ-ゼなどを体内に取りのこした事故 約40件
人工呼吸器などの操作ミス 約30件
調剤・投薬ミス 約20件
これを見る限りでは従来の事故の種類とは大幅に異なるようです。
1999年以来、注射などの事故への対策が徹底して事故数が激減したのでしょうか?
転倒・転落は対象外だったのでしょうか?
それにしても 報告数が少ないと思うのですが…                          140

■常識 2002/3/5
東京大学医学部付属病院の事故は、マ-ゲンチュ-ブを間違って気管に入れしまい注入をしたというものですが
私の少ない経験では、気管の方に間違えてはいろうものなら、むせたり、痛かったりでとてもじゃないけど簡単には入らないだろうと思っていました。(もちろん意識レベルとかの問題もあるでしょうけど)
ところが同僚に聞いたところそうでもない人もいるらしいです。その方は、精神疾患なので抗精神薬を内服しているので、知覚、感覚などが低下しているのかもしれませんが、マ-ゲンチュ-ブを入れようとすると簡単に気管の方に入ってしまうそうです。どちらかというとその人は、気管の方がはいりやすいらしいです。これは、特殊な例なのだと思いますが、もし間違って気管にはいるとむせるだろうという固定観念や常識と思っていることでこのようになるのかもしれません。
しかし、医学にしても看護学にしても統計に基づき科学的に…なんですけど、やっぱり常識外のことも気を付けとかなければいけないと思います。この辺が人間が陥りやすい罠なのではないかと思います。

■事故後のマニュアル 2002/2/21
都立病院における報告書等に ・医療事故が起きたら (平成12年12月)(PDF88KB)

事故防止のマニュアルだけでなく、事故が生じてからのマニュアルも大切だと思います。
事故防止に対して前向きでなければ、実際に事故が生じた時、対応に追われると思います。事故以外の様々なトラブルを防ぐためにも事故が生じてからのマニュアルが必要だと思います。
災害マニュアルですと、災害が生じた時にどうするのかと言うマニュアルです。医療事故が生じたときも同じように必要だと思います。
マスコミ対応は、記述されていませんでしたが、そのあたりも知りたいです。都立病院は、知っているでしょうし…


■講演 2002/2/20
今や、事故防止は、一つの大きなブ-ムで事故防止に関する講演がたくさん開かれています。さぞかしその道の人は忙しいことだと思います。たくさんセミナ-などに行った人も多いと思います。
今回は視点を変え、 事故の被害者、家族に 講演を依頼してみればどうでしょうか?
防止防止、と唱えるより被害者、家族の言葉が、本当に自分の中に入ってくるのではないでしょうか? 管理から見るとどこか距離を置いてしまっていると思いますが、家族などから話を聞くと(感情的になると困りますが)形だけの防止ではいけないと思うのではないでしょうか? また、講演を聞く側もつらいけど、聞いてみよう! と興味が出てくるのではないかと思いますが、どうでしょう。今、私も要望として事故の被害者、家族の講演を出しているのですが、どうなりますやら。
上が理解してくれるとうれしいんですがねぇ。さて…

■ヒヤリ・ハット体験報告 2002/2/20
ヒヤリ・ハット体験報告を書きました。この「ヒヤリ・ハット体験報告」というのは、国立病院などの様式で、主に記述式なのです。しかし、そんなに複雑怪奇なヒヤリ・ハットでもないのですが、書くのに30分もかかってしまいました。(私の要領が悪いだけかも…)
記述式の場合、詳しく書かれていると内容も背景もわかりやすくていいのですが、人によっては さらっ としたものもあり ヒヤリ・ハット体験報告は、余分な仕事なのかな?と感じることもあります。
それにしても30分は痛い。どうしても処置などの業務を優先しなくてはいけないので、他の業務を気にしながら書いていたのでは、まともな報告書にならないかもしれないです。ゆっくり書けたらいいんですけどね。


■免許の更新 2002/2/14
免許の更新と言っても自動車の免許なんですけど…今日 ン回目の更新に行って来ました。
少なくとも免許の更新のたびに安全についての講習会を受講するのはいいなと思いました。
交通事故の種類から法的なもの、「だろう運転は事故のもと」など啓蒙活動。さらには交通安全の標語までいろいろありました。私は簡素化の講習でしたが、事故とか違反歴のある人は、長時間講習を受けなくてはいけないようです。
看護婦全員が定期的に事故防止の講習が受けることが出来ればいいのではないかと思いますし、その人に応じた講習指導が出来ればいいナと思いますが、難しいですよね。
看護の免許の更新があれば… ちよっと つらいかナ?!

■ソ-リ-法 2002/2/12

交通事故や医療事故発生時に「アイム・ソ−リ−」と謝罪したとしても、後の訴訟のなかでこれを「過失」や「責任」を認める発言としないという法律で、これまでは、事故が発生した場合、ドライバ-や医療スタッフは、訴訟になった場合に不利になることを恐れて、いっさい謝罪を口にせず、いたずらに防御的で対決的な姿勢をとりがちであった。この法ができたことによって事故の当事者は、訴訟で不利になるのではないかと危惧することなく、人間の自然な感情としての「謝罪の念」をあらわすことが可能となる。
医療紛争 和田仁孝 前田正一 医学書院 2001 P.132 カリフォルニア州「ソ-リ-法」より要約

日本も謝罪について、先に謝ってしまうと自分が不利になるという考えがあるようで、組織との絡みもあって、なかなか人間の自然な感情としての「謝罪の念」をあらわすことは、出来ない時があります。
こういう法も重要と思いますが、組織も事故時の謝罪についての対応を明確にしてくれたら「謝罪の念」をあらわしやすくなるのにと思います。

■ちょっと注目 2002/2/7

医療に役立つ「品質管理」の考え方 Expert Nurse  照林社 Vol.18 No.2 2002
「品質管理」とあると事故とはあまり関係なような感じですが、品質管理からとらえた医療リスクマネジメントです。事故対策は、他の産業に比べて医療は遅れています。いろいろな目で見ていきたいものです。

東海大学医学部付属病院のホ-ムペ-ジの医療安全対策マニュアルというところに
医療安全対策マニュアル (PDF 430KB )
資料2 インシデントリポートの使用基準(PDF 150KB )
 
などがあります。
これもぜひ!

川柳を一つ
事故防止 標語増えども 人増えず

■院内感染と医療事故 2002/2/2
1月31日の朝日新聞 被害増える「院内感染」とは?    より
米国の疫学調査では年間200万人が院内感染にかかり、12万5千人が死亡している。これを日本に当てはめ推計すると、年間約70万人が院内感染し、4万4千人が死亡していることになる。 とありました。
また、TO ERR IS HUMANにおいて アメリカでは医療ミスにより年間4万4千人から9万8千人が死亡している。
日本においても何万人も死亡していると推定されますが、
こうなると病院に行くことによって、年間何万人も亡くなるのであれば、病院に行かない方が死亡率が低くなるのでは?と うがった見方をしてしまいます。
病院に行かない方が長生きできる 落語にもならないですね。


■病院、警察(埼玉、神奈川など)、企業(雪印、三菱自動車など) 2002/1/24
このパタ-ンは、1年ほど前と全く同じじゃないですか!
また最近毎日のように、と言うか毎日、このメンバ-の事故隠蔽がヘビィロ-テ-ションのようにマスコミに取り上げられています。特に雪印に至っては、前回のことで何を学んだのか? 経営者はこんなものなのか? と暗澹たる気持ちでいっぱいです。これが日本人の基本的な特質であるのなら、つまり隠蔽ということが国民性の現れなら事故防止は、進まないでしょうね。はぁ~

川柳を一つ
雪印 次の張り替え 社名かな

■本当?! 2002/1/23
社団法人「日本病院会」実施したアンケートで、(2001年1月報道)
1病院当たりの年間事故報告件数は平均約130件であるなどの報告があります。
その中で、気になったのが、
「事故例の報告の83%は看護婦・士で、次いで医師の6%」
これはどう解釈すればいいんでしょうか?
1. 看護職の方が事故に対しての意識が高く、事故防止のために協力している。そして医師は、あまり事故報告書を書かないため看護婦の報告が83%と高率となった。
2. %そのままの実際の事例数であり、看護婦と医師の事故例の割合はこの程度である。
確かに人数も違いますし、どうなのか。他に医師と看護婦の事故を比べるデ-タ-を持ち合わせていませんので、結論を言うことは出来ませんが、83%は、あまりにも高い数字じゃないでしょうか? ちょっと おかしいのでは?と思いました。
看護擁護の立場から看護婦は、事故防止のためにせっせと報告書を書いているため高率となった。と思われるといいのですが、
看護婦は、こんなに事故をしているのか! と思われると困ります。                   130

■院内感染 2002/1/20

セラチア菌による院内感染のことが報道されていました。
このペ-ジでは、感染による事故は、取り扱っていませんが、院内感染も事故のうちの一つです。
インフェクションコントロ-ルも大切な事故防止の一つであり、
院内感染による事故も、個人も組織もどちらにも大きなウェイトをしめると思います。
これもなかなか目に見えないのでやっかいですし、一つ間違えると一挙に多数の人に影響が出る恐ろしいものです。
他の事故においては、あまり複数の人が同時に事故があるということは少ないですが、そういう意味では同時に多発し何がなんだかわからなくなり対処も遅れやすいかもしれません。

ICN'S ROOM  
歴史から根拠ある感染対策まで感染管理のHPです。




■リ-ク 2002/1/15

東京女子医科大病院の事件など手術室という密室で生じた事故は、誰かがリ-クしないと表に出てこないものかもしれません。一方で日本医科大学付属病院では、手術ミスを証言した医師を相手に損害賠償を求める訴えを起こしたそうです。その医師は、ミスを隠すように指示されたと述べているとのことです。ミスの真実はわかりませんが、ややこしい話です。

リ-クについてあまり良いイメ-ジは、ありませんが組織を浄化するのにリ-クしても仕方がないのかもしれません。リ-クが必要な社会もどうかと思いますが、正義のためのリ-クもあるのかな? と思います。
いずれにしてもプロとしての倫理感、組織との関係いろいろな葛藤があるのだと思います。


■エビデンスとしての医療事故防止ー文献レビュー 2002/1/10
老人看護・看護管理 Web Site の看護管理学看護管理学研究・学会活動の研究テ-マ Aリスクマネジメントに
第3回 看護管理学会セミナ- がありまして、
その一番下に"パワ-ポイントはこちら" というところからダウンロ-ド出来ます。
内容は、
1.エビデンスとしての医療事故防止-文献レビュ-
転倒
看護の夜勤
サ-カディアンリズムと過誤リスク
誤薬:用語の理解
など
2.薬剤エラ-と看護に関するレビュ-

さすが大学の研究室です。ぜひダウンロ-ドしてみてください。
特に「サ-カディアンリズムと過誤リスク」などは勤務体制の関係もあり、他のリスクマネジメント関係の本では
あまり見られないものです。

■今年最後の本の紹介? 2001/12/21
JJNスペシャル 70 注射・点滴エラ-防止 編集川村治子 医学書院 2001.12
これはわかりやすい! 身近で具体的な「ヒヤリ・ハット!事例」で思わずうんうん あるあると 
この知識を共有できれば、随分事故が減るのではないかと思います。
ヒュ-マンエラ-のキ-ワ-ドとかMEMOなどわかりやすく飽きさせない工夫がしてあります。
イラストや図が多いのもグッドです。ぜひ一冊どうですか?


■法律 2001/12/20

法律は、日頃あまり意識をしていないと思いますが、法律の知識がないといざというときに自分を守れないかも知れません。

Q&A 現場で困ったときの法律活用術 深谷 翼  日本看護協会出版会
この本は、看護と法律の本なのですが、事例に対して細かく分析されたものではなく、Q&A方式で書かれた読みやすいものです。内容の一部としては、
Q20 同姓の別人と間違えられ、検査を受けた患者はどうなる?
Q26 読み違えによる与薬ミスは、誰の責任か?
Q34 口頭での指示受けに間違いがあったら?
などあり、それぞれに法律豆知識などを加え、読みやすく、興味がもてるものです。
多くの看護婦は、法律に関してあまり興味がないように思えますが、トラブルが出現してから考えるよりそれ以前から知っておいた方が自分の身を守る事と患者、家族との関係を円滑にはかるためにも法律をある程度知っておく必要があるのではないかと思います。

ちなみに Q40は、免許の取り消しはどのように行われるのか? 再取得は可能か?  です。
すこしは、興味が湧きましたか?



■KYT(危険予知トレ-ニング) 2001/12/18

Kiken Yoti Training というものでヒヤリハットという言葉同様わかりやすいものです。

危険を予知して災害に至る前に、これを防ぎ また、危険に対しての感性を磨くものだそうです。

身近な例では、交通事故に関するものがあります。これは事故が生じた後の分析をするのではなく、車があり人がいる場合に、その状況からどういう危険が考えられるか?というもので実際には車の左折によって人がひかれる可能性があるなどの場合を予知するトレ-ニングです。危険を予知してミスを防ぐものです。
その他、建築現場など危険の多い様々な産業の現場で取り入れられているようです。
他の産業の方が安全管理については進んでいるようですので、うまく取り入れることが出来れば有効だと思います。


ありがとう 2001/12/5
朝日新聞 12/5 くらしの欄 患者になって考えたこと 山内隆久
患者と医療者が、失敗を「見つけた」「見つけられてしまった」という関係にあるから、事故が起こる。「一緒に誤りを見つけることができて良かった」「指摘してくれてありがとう」と言い合える「文化」が必要だ。
とありました。
こういう関係になりたいものです。昔のタ-ミナル・ケアのように疑心暗鬼になりコミュニケ-ションもとれなくなってしまうともっと事故が起こりやすくなりますからね。失敗を指摘されると、とっさに隠そうとする人も多いのでは?
「ありがとう」って言えるかな!?


■行政処分(都立広尾病院) 2001/12/4
厚生労働省は、医療ミスなどで罰金刑以上が確定した看護婦・士の処分を3日発表しました。
都立広尾病院 亀井晴子 業務上過失致死 業務停止二ヶ月
都立広尾病院 丹内貴子 業務上過失致死 業務停止一ヶ月
という処分。これ以外にも地方公務員なので公務員としての処分もあるんでしょうね。
ヒヤリハットなどの収集の際、提出によって罰則はありません。と書いてあったとしても気になりますよね。
やっぱり何かの時は、処分があるのだと…

■医療安全対策ネットワ-ク 2001/12/3

個々の医療機関の枠を越えて、インシデントの収集分析 を医療機関だけでなく国民にも情報を公開するものです。
対象機関は、特定機能病院、国立病院、国立療養所及び国立高度専門医療センタ-と限られています。
また、収集分析公開する情報は、インシデントで事故事例は含まれないようです。
まずは、一歩前進だと思います。対象機関が広がり、インシデントだけでなく事故事例も情報収集し、一元化できるようになればと思います。
さて良いなと思ったのは、インシデントは、全てコ-ド化されると言うことです。看護診断のようにインシデントをコ-ド化して分類するそうです。

ヒヤリハット、インシデント 関係のソフトがあります。

ヒヤリハット体験報告書集計マクロ  (看護婦(士)) 1.3

http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se176409.html
厚生省提唱「ヒヤリハット体験報告書」内容を「登録」「検索」「集計」するマクロ
●シェアウェア2,000円

インシデント情報登録システム(EMI)

http://is.icc.u-tokai.ac.jp/%7Etanakoh/
厚生労働省のインシデント情報収集事業に対応



■ポカヨケ大図鑑 2001/11/25

昔のメモを整理していたらこんなのがでてきました。
ポカヨケ大図鑑 日刊工業新聞 1987-4からのメモなのですが、
工業などの産業においては以前から分類し、わかりやすくしていたようです。

1.ウッカリミス うっかり
2.ガッテン 気がはやい かんちがい
3.チラ 見おとし 見ただけで間違い
4.アマ 知らない仕事
5.カッテ きめこむ ル-ル無視
6.ポカ 自分でもわからない
7.ニブ 初心者
8.パナシ 管理統制なし
9.アレ 機械の誤動作 予期せぬ動き
10.ワザ 犯罪

分析するのは難しいと感じるので、ガッテンによるものだね。とかパナシだね! とかいうほうが捉えやすいかも知れないですね。                                         120

看護業務サポ-トデスク 2001/11/12
社団法人日本看護協会 中央ナースセンターが行っている看護改善に関連する専門情報を集めた看護職を支援するサイトです。その中の「リスクマネジメントの実践」ぜひ訪問してみてください。
各病院のインシデント・アクシデントレポ-トの具体例であるとか、実際に使用されている報告基準とレポートの報告ルートの具体例等がPDFファイルとしてダウンロ-ド出来ます。
インシデントリポートの統一化とコーディングに関する研究、インシデント情報登録システムについてのリンクもあります。
 看護業務サポ-トデスク 

■「医療現場からの情報提供のページ」(仮称) 2001/11/6
日本医師会が「医療現場からの情報提供のページ」(仮称)という新サイトを今月上旬にも開設するとのことです。
医療に従事する人から「この機器のこういう使い方は危ない」などといった声をメールで寄せてもらい、提供情報を基に同対策室で検討。改善策などの情報を掲載し、現場にフィードバックする仕組み。必要に応じてメーカーや業界団体に働き掛け、問題提起もする。(時事通信)
どういう形になるのかわかりませんが、情報を共有できるのはよいことだと思います。
医薬品情報提供ホ-ムペ-ジもありますし、厚生労働省の方も安全に関するネットワ-クの構想があるようです。
看護協会の方はどうなんでしょうか?

■満足度 2001/11/4

健康ナビ PRO という雑誌で 特集1 日本初3000人が採点した大病院の「通信簿」
患者満足度の評判ランキング
東京1位 聖路加国際病院
大阪1位 住友病院

う~ん やはりさすが 聖路加 一度は働いてみたい病院ですね。
看護婦30000人が採点して、看護満足度というのをしても おもしろいかナ?!
聖路加は、日本看護の総本山だと勝手に思っています。だって、医学部付属でなく、看護大学で病院を持っているところは聖路加ぐらいなものでしょう! 志が違いますよね。

これは新聞広告欄にのっていました。買おうかな?と思ったのですが、8000円 税別 とあり…うっ!

■判決 2001/10/21

9月20日に横浜市大学病院によるいわゆる「患者取り違え事故」の横浜地裁の判決がありました。
納得のいかない判決でした。
内容については下記に詳しいのですが、私は、
1.判決内容に偏りがある。
2.病院及び管理責任が問われていない。
2点を感じました。
1.については、手術室の看護婦のみ禁固1年、執行猶予3年という執行猶予付きではありますが、他の病棟看護婦、執刀医、麻酔科医、研修医に比べて重い判決でした。
判決文には、「…(手術室看護婦)は、自らの患者の同一性認識の不確かさをそのままにしただけでなく、続いて患者を送るよう指示した点で二重に重大な過誤を犯している。過失の内容は甚だ重大であり、…」一部のみ抜粋
と言うものですが、二重に重大な過誤を犯している。という事には当たらないのではないかと思う。もしそうなれば、他の医師も同様に不確かさのまま手術をしたということで同様に該当するのではないか考えます。 
2.については、旧来の個人を罰して解決という域から出ておらず、システムの改善、指導などなく、事故防止の面からも望ましいものではないと思う。
当の看護婦が日本看護協会の会員かどうかわかりませんが、日本看護協会は、以前に嘆願書、陳情書を提出したり会員擁護の立場で活動をしていました。
看護職能団体として今後の対応に注目していきたいです。

●看護 11月号 2001年 11/1発売予定
JNA NEWS 患者取り違え事故 横浜地裁判決
●協会ニュ-ス Vol.412 10月号 2001年
患者取り違え事故 横浜地裁判決に関する本会の見解
●日本看護協会発:ニュ-スリリ-ス
患者取り違え事故 横浜地裁 判決に関する日本看護協会の見解(16KB)/2001年10月3日
PDFのファイル形式
http://www.nurse.or.jp/koho/newsrelease/index.html



■退院 2001/10/19
父が退院しました。まぁやれやれなのですが、
いろいろ気をつけていたつもりなのですが、退院時になって、この薬はずっと飲んでいなければいけなかった。と言われたそうです。薬は確認していたのに…
これを聞いてがっかりしました。こんなところでもいろいろな行き違いがあるものです。 
■病床から の山内さんではないけど、患者の立場、家族の立場になってでないとわからないこと、その立場になって初めて感ずることも多いと思います。

インタ-ネットは便利で疾患のことから看護までいろいろ知ることができました。ありがたいものです。
また、自分の病院でも専門科の医師に聞いたりもしました。病院に勤めていることで、いろいろアドバイスを得ることができますが、一般の人はセカンド・オピニオンまでいかなくても、なかなか他の医療関係者に意見を聞くことが難しいので大変だと思います。

■病床から 2001/10/18
「医療事故」朝日新聞社 2000 の著者の山内隆久さんが急性白血病で病床にと
10月10日の朝日新聞に載っていました。
「取材してきた数々の事故が、自分の治療にダブる。薬剤のラベルはすべて自分の目で確認し、どんな治療行為でも、インフォ-ムド・コンセント(説明と同意)を欠かさないことにした。……」とありました。

医療サイドから見ると、もう少し信頼してくれても…と少し思ったのですが、やはり自分を守るためにはそれ位しなくてはいけないのでしょう。また、医学的知識のない人は、なおさら確認とか調べたりしなければいけないのだろうと感じました。たくさんの事故事例を知っているため更に不安になるものかもしれません。
自分だったらどうするだろうか?


■誤爆 2001/10/15
米軍のアフガニスタンへの誤爆が問題になっていますが、数値を間違って入力したために目標と違うところに爆弾が落ちてしまったようです。
看護の場面でもポンプなどの時、数値を入力したりします。デジタル的で量が直感的につかみにくいのではないかと思います。例えば浣腸の液を60ml入れるところを間違って600mlもは入れないでしょうし、(例が悪いですが…)
また、実際に手で触れてケアできないところは、間違えたという実感が乏しいものかも知れません。

お気に入り 2001/10/12
看護事故教訓集 2001.5  日本看護協会出版会
が けっこう気に入りまして、各表題から私の思うことを書いてみました。でも2~3行しか書けないのは相変わらず
宮古さんは遠いなぁ~

いわせて! ヤみてね

■トラブルシュ-ティング 2001/10/12
バル-ンカテ-テルトラブルシュ-ティング バル-ンカテ-テル取り扱い上の注意 株式会社メディコン
というのがあります。
これは、バル-ンカテ-テルが抜去出来ないとき、実際にどうすればよいのか、
抜去不能時には、バル-ン非破裂法とバル-ン破裂法の具体的な図入りでの説明
 などトラブルの時どうすればよいか具体的に記載されています。
その他にも、カテ-テル留置後のトラブルとその対策 等がのっています。
普通のマニュアルには書かれていないが、実際の場面においては大切なことです。
知識があればちゃんと処理できることも、トラブルが生じるととんでもないことになることもあります。
バル-ンカテ-テルに限らず、いろいろなトラブルシュ-ティングが記載されているものがあればいいのにねぇ。



■OABC 2001/10/10
医療事故防止BOOK 和田努 小学館文庫  P.88
「病院に救急車が到着したとします。急患室には君一人です。患者は、呼吸も心臓も止まっているようです。さあ何をしますか」
いわゆる正解は「ABC」なんだそうですが
でも正解は、「人を呼ぶこと」なんですって!
それでABCの前に「お-い、お-い」のOでOABC

何かあったとき、トラブルがあったとき、「お-い!」 一人で解決できない、パニックの時も人を呼ぼう!
三人寄れば何とやらじゃないけど、冷静な人が対応できるときが多いと思います。手の数が多いというのが一番でしょうけどね。                                        110

■コミュニケ-ション 2001/10/10
医療事故防止BOOK 和田努 小学館文庫  P.39
ナポレオンが侍医に「私は何も言いたくないから、君が優秀な医者ならば、何も聞かなくても、私の病気をぴたりと当てなさい」と言ったという逸話が残っています。
すると、侍医はこう言いました。
「医者に対して、お言葉を発するのが、お嫌なのでしたら獣医をお雇いになられたらいかがでしょうか…」

コミュニケ-ション大切です。まだ父は入院していますが、主治医よりのムンテラ。
うなずく母。あとで聞いたら 「あんまりわからなかった。こわい先生だし…」と
医療者側は、説明し家族は納得したと思っていても、案外理解していないものだと思います。
コミュニケ-ションをとったつもりでもこの程度なんでしょうねぇ。「あうん」でわかりあえるなんてよっほどの事。


■入院 2001/10/2
父が入院していますので、日記などがなかなか進みません。
看護士として、家族の立場で他の病院を見るとどうしても自分の病院と比べてしまったりします。アナムネを病室で聴取されると「他の患者にも聞かれていやだなぁ~ 」と父が言っていました。
伝達がうまく行っていないナァ~とか、相変わらずOP室への搬入の際、ストレッチャ-を看護婦一人で押していたりと
どこでもつっけんどんな看護婦さんがいるのでいやになってしまいます。
もちろん良いところも見つけました。パスが良いとか、いろいろ。
自分たちの病棟でも全然気が付いていないけど他人が見るとこれは…と思うこともありますね。



■知らないことばかり… 2001/10/2
ワ-ファリンと納豆は知っていましたが、
看護事故教訓集 2001.5  日本看護協会出版会
069 経菅栄養注入後の「ポカリスエット」は禁
知らなかった。私だけかなぁ~
みんなも知らないことなの? それとも常識?
こんな事って案外多いのかな?!

ちょっとしたTips
麻痺のある患者さんの手にロ-ルタオルとかしませんか?
そのタオルのかわりに「へちま」を使っているところがあるそうです。へ~へちま?? なんですけど
大きさ堅さ通気性そしてメンテナンス性もいいらしいです。
どうです。へちま ああ もちろん生じゃないですよ。
知ってたらごめんなさい! ヘチマと事故とは関係ないですけどね。

■たのしく 2001/9/18

看護事故教訓集 2001.5  日本看護協会出版会
は おもしろく読みやすいです。例えば
011 能あるナ-スは事故を隠さず
034 恋愛で占められた頭には、注意も確認も入り込む余地はない
106 後輩の振り見て、わが振り発見
もちろんこれだけのものではありません。

9月18日朝日新聞 笑って豊かに というところに「ギャグ講話」
「防げ事故」すんなりと が掲載されていました。
法律のからむ話を続けるだけでは居眠り受講者がでる。とのことで
ギャグをはさみながら工事現場の災害ゼロを目標に「安全講話」をしているそうです。

事故はまだまだあまり触れたくないものなのかも知れません。
緻密な分析も必要だけど、深刻になりがちな事故を興味を持って聞いてもらうことができないと始まらない。
事故防止もたのしく!

おまけ 本の情報
透析室の医療事故 内藤秀宗 2001.6 メディカ出版
というのがあります。私は読んでいませんので…

■どうすれば…  2001/9/16
こんなホ-ムペ-ジでも、たまにご質問を頂くことがあります。
事故対策として何をしていけばいいのか概略は理解しているつもりなのですが、
いざ事例を頂きどうすればいいのか?と言われるとう~んと考え込むことがあります。
基本はそう変わらないと思うのですが、そこの病棟、病院のシステムなどが本当にいろいろで、そこに応じた事故対応が必要なのだと感じました。一般病棟1つをとってみても急性期と慢性期では異なりますし、入退院の激しいところでは、与薬のシステムも大きく異なります。看護方式までも考えて対策をとっていかなければいけないのではないかと思います。う~ん


■アメリカ同時多発テロ  2001/9/16
ずっ~とBSを見てました。休みだったのでずっと
その中でFBIが以前から情報収集していたのになぜ今回のテロが防げなかったか?という問いに対して
「まぁ 言うはやすしということでしょうね。」と答えていました。
FBIなど実際にしている人は大変なんだと思います。簡単に情報提供してくれるはずもなく、信憑性も不明確だし
看護事故もなぜ事故が起きるのか!なんて言われますが
「まぁ 言うはやすしということでしょうね。」というところも多いでしょう。
まぁでも今は医療事故なんか吹っ飛んでますよね。大変なこと!

■医療ミスを防ぐための20カ条 2001/9/10
AHRQというアメリカの厚生省(HHS)の下部組織から
患者向けの医療ミスを防ぐための20カ条 というのが発表されています。
http://www.ahcpr.gov/consumer/20tips.htm

うれしいことにちゃんと訳してくれている人がいます。
善家外科脳神経外科
http://www.netwave.or.jp/~zenke/
の「医療ミス予防策」ところに訳があります。

■雑誌「精神看護」2 2001/9/9
更に
与薬ミスはなぜ起こるのか?そして看護者は何が出来るのか? 三原晴美 vol.4 no.5 精神看護 Sep 2001
なぜ起こりどうすれば防げるのか詳しく書かれています。その中で「実際に起こった与薬ミスその原因とは」
1.読みにくいオ-ダ-によるミス の中にアメリカ政府の『年間与薬ミス白書』に報告された与薬ミスの約15%が、「読みにくい手書きのオ-ダ-」が原因であったという(SFA、2000年) と載っていました。
アメリカを手本としてリスクマネジメントは走っており、アメリカは全てうまくいっているという幻想を抱いていましたが、ああやっぱり全部の病院がオ-ダリングシステムとか、他のシステムなどうまくいっていないところもあるんだ!と安心?しました。焦らずにすすめていけば良いんですよね?!
たまには他の専門書も見てみますか?

三原晴美さんのホ-ムペ-ジ  看護塾


■雑誌「精神看護」1 2001/9/9
私のペ-ジは、ほとんど事例がない というか書いていませんが。(書けないということもありますが)
「人は間違う」という前提に立った徹底教育  山内真知子 vol.4 no.5 精神看護 Sep 2001
このなかで、病院で起こった様々な"恥"の部分もさらけ出して書いてきた。編集者から「本当に雑誌に出していいのですね?」と聞かれたが、「事実だからかまわない」と答えた。
それぐらい こんなに書いていいの?と思うぐらい書かれています。
いろいろな施設などが情報を出し始めているようです。みんなで共有できると良いですね。

■100回記念 2001/8/20

ばらつきがあり月に少ししか書いてないのでとても日記と呼べるものではありませんが、
よく100回もつづいたなぁ~と思います。
文章を書くのは難しいです。出来るだけ簡潔に書いているつもりなのですが、
はたしてつうじているのかナ?と思います。
これからもこりずに見てやってください。
何か1つでもみなさんのヒントになればうれしいのですが。

今日も異型輸血の事故が載っていました。
Martz Attax 医療過誤の情報(お役立ち)
My  Medipro からも情報収集しますが、たくさんの医療事故と関連することが載っています。
専門の情報によると事故情報は増えている感さえあるのですが、新聞などに掲載されるいるものは、一時に比べると少なくなってきているようです。
事故防止に対しての熱意が薄れないようにしていきたいものだと思います。喉元すぎれば何とやらという事が多いと思いますが、決して事故がなくなったわけではなく、気を緩めるとまた事故が多発するものだと思います。
私たち専門職も、一般市民の方々も事故があることを認識し、一時のブ-ムでなく事故防止を継続していくことが大切だと思います。


■学会 2001/8/17

24日に佐賀市で日本看護管理学会があります。そこで東京医科歯科大学の阿部俊子助教授と院生の北沢直美さんの研究発表があるそうです。内容は、「薬剤に関わるミスがあった場合、自分にミスの責任がなくても報告する看護職員は三人に一人にすぎない」 実はこれ新聞に掲載されていたのですが、看護研究が新聞に掲載されることは、随分珍しいことなのかも知れません。すごいですよね。

いろいろな学会での事故防止の研究発表は増えています。たまには行ってみませんか?


■シックス・シグマ 2001/8/15

聞き慣れない言葉ですが、統計学の言葉だそうです。
ビジネスのあらゆるエラー、欠陥を百万回あたりのエラーを3.4回のシステムを構築しようとするものだそうです。私の中でもまったく理解できていないのですが、従来のQCの枠組みに似ているところもあるようです。
上手く導入すれば事故防止に役に立つのではないかと思いました。
興味のある方は

NEC総研 特集 シックスシグマ
http://www.nepr.co.jp/six/


■PVC(ポリ塩化ビニル) 2001/8/1

「病院で使用されている点滴用バッグと点滴用チュ-ブの約80%がPVC製(ポリ塩化ビニル)であり、患者に投与される薬物や血液中に有害化学物質が溶出する可能性がある」との情報がありました。
安全であるべき病院も、事故ではありませんがいろいろなところで危険があるものだと思いました。
リスクマネジャ-は、このへんのことも対応して行かなくてはいけないのでしょうね。

医療で使用されるPVCと事前防止原則
http://staff.aist.go.jp/matsuzaki.sanae/chemsafe/rachel's-j/661-j.htm

■明石の花火会場事故 2001/7/28
明石の花火会場事故では、以前から危険性を指摘する声があったそうです。
ヒアリハット、事故報告が出ていなくても、あぶないナ。これは何かおこるんじゃないか。と感じるところがあると思います。そのようなところも吸い上げていくことが出来れば事故を未然に防ぐことが出来るかも知れません。
事故が生じると管理の甘さを言われますからねぇ。
まぁなんでも起きてから…という事が多いのですが


■事実を見る目 2001/7/26
事故の事実を表現すること、多数の人が関係した事なのですが
人間関係が悪いわけではないのですが、やっぱり他の人に気遣うというか、かばってしまう??
後のスタッフ間の関係を考えたりとやっぱり感情が入ってきて しがらみにとらわれる。
事実を伝える事って難しいです。あらためてそう思いました。やっぱり自分の報告書だけでは不十分だと思います。
リスクマネ-ジャ-などが事実を調べていかないと真実、隠されたところはわからないかも知れないです。


■NHKスペシャル 医療・信頼は回復できるのか 2001/7/9
看護婦の立場からだと、ほんと同じような場合でも医師によって指示はまちまち。抗生剤もそれぞれ使うものが違ったり、新しい医師が来ると処置の方法から使う薬まで違う。現場は混乱するばかりです。(病院によって異なるでしょうが)当然事故は起こりやすくなるでしょう。
標準化された薬剤の使用方法とかが決めてあれば、たくさんの抗生剤と格闘しなくて良く、間違いは減る可能性はあると思いますが…



■ノンコンプライアンス 2001/7/1
事故の中で誤薬がしめる割合は多いのですが、そのうちで服薬におけるノンコンプライアンスが事故全体のうち6%ありました。(個人の調査による1993年)
服薬管理をどのように行っているかによって異なると思いますが、ノンコンプライアンスは、実際には多いのではないでしょうか? 内服するのを忘れたというものから自分で判断し内服しなかったものまでいろいろあると思います。
薬の自己管理と看護婦、薬剤師のアセスメント指導に問題がある場合もあると思います。また、デ-タ-が集まりにくいこともあると思います。



■ストップ出来ますか? 2001/6/25
まだ学生だったころ造影を受けたことがあります。相当前だったのでなんの検査か覚えていませんが、
点滴中に嘔気がしてきたので、「看護婦さん吐きそうです。」というと看護婦は点滴速度を速めた記憶があります。
結局、嘔吐してしまいました。その時 吐きそうや! て言っているのになんで 点滴はやくするんやろ~ と思いました。
静注中に患者さんが気分が悪いと言った時、どうしますか? ストップ出来ますか? 間違った可能性を考え逆にシリンジを引いてみることが出来ますか? それとも押して終わらせてしまいますか?
 間違ったことを考えストップする事は勇気のいることかも知れません。あぶない。おかしい。と思ったらストップする。誰かを呼ぶ勇気がいるのではないでしょうか?

■京福電鉄正面衝突事故 2001/6/25
昔は、単線の運航の際には、カギのようなものを受け渡しをし、それがなければ発車できないような仕組みになっていました。
そして今の新しい車両にはATSが付いていたりするようですが、京福電鉄は、ATSもなくかつ経営難であったとのことです。今のところ信号の故障なのか?ヒュ-マンエラ-なのかはっきりしませんが、昔のようにカギを渡して行う前時代的な方法がシンプルで確実なのかも知れません。京福電鉄は、6ヶ月前にも事故を起こしており、企業の安全対策は、経営難という事もあり二の次という感じがしました。
あまり関係ありませんが、昔ドイツの国鉄がダイヤ改正をしたそうですが、改正後ものの見事に正面衝突をしたことがあったそうです。ドイツ人などきっちりしてそうなんですが…人間のやることなので…やっぱり


■医療過誤防止カルタ 2001/6/21

3つ下の「安全のためのABC」で数え歌を作るという暴挙に出ましたが、
「医療過誤防止カルタ」を作ったところがあるのです。これおもしろいです。
最初、主任会で医療過誤防止カルタを作ったらという突拍子もない意見が出たそうです。
そしてみんなから募集するとたくさん集まったとのことで、カルタを作り、
「医療過誤防止カルタ大会」をしたそうです。
意見も出やすいし、参加もしやすい、更に頭に入りやすい。だいたい楽しいですよね。
遊び感覚で出来るので雰囲気改善にも良いと思います。
この突拍子もない??意見もだいじなんだと思います。
ちなみに
 アミノフリ-ドは混ぜるもの 押して混ぜなきゃただの水
 インシュリン 単位間違え低血糖 するの忘れて高血糖

ねっ! おもしろいでしょ!  
別冊看護管理 リスクマネジメント読本 医学書院 2001 p.142~145              90


■大学入試のミス 2001/6/20
報道をいろいろ読んでみますと
私の勝手な思いかも知れませんが、間違えられた人つまり不合格にされた人は、ミスの事実を受け入れている人が多いように思います。
その周辺の人、たとえば在校生であるとかの人の方が怒っているように見えました。
当事者と第三者では変わってくるのでしょうか?
この世界でもやはり隠蔽がありました。わからないだろうと思っていても、ばれるものですよね。
 

■いろいろな患者さん 2001/6/20
ほとんどの人は、よい人だと思うのですが、
患者のガラが悪いのか職員の対応が悪いのか? 
病院の入院費を払わずに逃げた人もいましたし、書けないようなこともたくさんあります。
TVなどを見ると、事故の際、謝罪をすればうまくいくという論調ですが、中には、言い方は悪いかも知れませんが、
悪い人もいるということです。もちろん謝罪を否定するものではなく非がある場合は心を込めて謝罪することが必要だと考えています。
イギリスは、患者から医師、看護婦への暴力、暴言、性的嫌がらせをくい止めるためにひどいものには治療拒否が出来るようです。ただし、緊急時と、精神疾患の患者は除くとのことです。 


■安全のためのABC 2001/6/20
黒田勲 元早大教授   「安全のためのABC」 読売新聞6月19日編集手帳より
(A)たりまえのことを
(B)んやりしないで
(C)ゃんとやれ 

おもわずワハハです。ちょっと悪ふざけをして 数え歌を…

一つ 人は事故起こす~♪
二つ 二人で相互チェック~♪
三つ みんなで事故防止~♪
……盆踊りじゃないんだからねぇ~  こりゃだめだ!  


■「医療ミスはなぜ起こるのか」 NHK BS  2001/6/18

ダ-ロウ スミソンプロ イギリス 2000 製作 なのですが、
イギリスと日本の医療事故に対する状況は、よく似ているなと感じました。
医師と看護婦の関係も日本によく似ているようです。 またきっかけとなる事故の発生も同時期のようです。
アメリカ、飛行機などから学ぼうとしていますが、日本同様これからなのかな と感じました。根底にあるのはどこの国でも同じなんでしょうね。 

たま様 よりの情報
医療ミス防止にNASAの知恵拝借 米退役軍人病院http://www.mmjp.or.jp/miyake-w-clinic/data/ognews/iryoumisu.html      



■体調など自己管理 2001/6/15
OP室の看護婦さんによると長時間の手術がある場合は、水分を控えたり、前日より体調の調整をするそうです。
プライベ-トな時は、関係ないでしょ! と言われる方も多いと思いますが、睡眠不足、私的ないろいろなストレスによってそれがヒュ-マンファクタ-となり事故につながる場合も多いのではないでしょうか? 遊ぶな!なんて絶対に言いませんが、プロとしての自己管理は必要でしょ!?       


■医療における安全管理のあり方 看護 2001 5 Vol.53 No.6 2001/6/15
これは作家の柳田邦男さんが日本看護協会の「リスクマネジャ-養成講座」で特別講演「医療における安全管理のあり方」の要約だそうです。柳田邦男さんは、東海大学付属病院でおきた、事故の外部評価委員をされていたそうです。その中で事故の直接の場面だけでなく、
事故直前の状況(p.69)において注意力に影響を及ぼした要因がある。とありました。
事故分析をしていくのには、事故場面だけでなくそこまでしていかないといけないのだと思います。背後に隠された、心理的なもの身体的なものが原因の一つになる事も多いと思います。        



『失敗』・ドット・コム 2001/6/12
失敗学のことなどを書きましたが、こちらは、失敗を集め失敗をいかそうとするサイトです。医療のみならずたくさんの失敗があります。
失敗っておもしろいです。他人の成功話を聞くより、失敗話を聞いた方がおもしろいし、100倍ためになります。
さぁ 失敗を見に行こう!   しまった! 失敗した! なんて言わないでね!?           


■大教大付属池田小の事件 2001/6/8
子供の学校は、開放化に取り組んでいるようですが、このような事件があるとどんどん塀が高くなるような気がします。しかし、一方では塀を高くする、門に鍵をかけるのではなく、安全のために住民から学校の中が見えるように、周囲の木を低くしたところもあるようです。安全に関して、病院も学校も同じような問題を含んでいるのかも知れません。
私は精神看護をしていますが、この事件により更に精神疾患患者への風当たりが強くなり社会に戻る事への障害となならないか心配です。                   



■サポ-ト 2001/5/21
忙しいです。お互いの思いやりで他の看護婦の仕事を手伝います。「忙しそうだから点滴をつめといてあげよう」と善意でしたことが、相互のコミュニケ-ションの不足によって思わぬ事になることもあります。
逆に、してくれているだろうと期待してしまうと、これまた困ったことになることもあります。
一言、あと一言 いっていれば 何もなかったかも知れないのに…                      


■シングルタスク 2001/5/20
コンピュ-タ-の事で時々、シングルタスクとかマルチタスクとかいう言葉をみかけます。
看護の仕事において、同時に複数の患者に対して様々なことをしなければならない。自分の頭で優先順位、段取りを決め、また突然のことがあっても計画を素早く見直すという柔軟性が求められることが多いです。こう書くとマルチタスクで同時に仕事をこなしているようですが、実は人間は情報処理などをとってみても、一つのことしかできないシングルタスクなんだそうです。つまり忘れてしまうとか、頭から抜け落ちることもあるということです。
器械であるとか、他の看護婦との相互間のチェックによるサポ-ト。そして何より人間は、抜けるものであることを自覚しておいた方がいいでしょうね。                                  80



■不良品 2001/5/20
ソニ-だったかな? アメリカに工場をつくり製品を作っていたのですが、どうも製品の不良品が多い。調査してみると17時になると働いている人は、組み立て中の部品があってもチャイムとともに仕事を止めてしまうそうです。そして中途半端なものが残り不良品となっていく。アメリカ的合理主義なんでしょうか? さてメ-カ-側は、どのような対策をしたかというと終業時間を10分早め、16時50分にその時点で組み立ての部品がなければ帰ってよい。組み立て途中の部品が自分の手の中にあれば、それを仕上げてから帰ってください。という事にしたそうです。それでうまくいき不良品が減少したそうです。
看護の仕事でも、点滴をつめている時、ナ-スコ-ルなどで呼ばれ作業が中途半端なところで中断すると"不良品"が出来るかも知れません。 
患者の安全のためにすばやくナ-スコ-ルに出る。と点滴を安全に詰めるとのトレ-ド・オフという感じの時もあると思います。



■おすすめの本 2001/5/15
失敗を「まぁ、いいか」にする心の訓練 海保博之 小学館文庫 2001 
作者は、「ヒュ-マン・エラ-」も書いています。
ヒュ-マンファクタ-が主になってくる事故防止に認知心理学は、はずせない学問だと思います。
さらっと読めます。476円+税だし。

海保博之さんのホ-ムペ-ジ  医療事故についても書かれてます。
  



■失敗を「まぁ、いいか」にする心の訓練 2001/5/14

失敗を「まぁ、いいか」にする心の訓練 海保博之 小学館文庫 2001
の中で、犯罪と失敗の違いについて述べています。
犯罪…動機がある。計画性がある場合があり計画性があれば動機もはっきりしている。
失敗…動機がない。計画性が全くなく、偶発的である。結果だけが問われる。

そこで、「失敗には動機がない、計画性がない。その点が犯罪と異なる。だとすると、失敗によって起こったことは法律的に罪を問わない(免責にする)ということもあり得る。アメリカでは、事故原因を明らかにするために、免責特権を与えることがある。つまり、「罪は問わないから、何をしたのかをつぶさに証言してほしい」というわけである。」上記 P.56より

でも、えひめ丸のことはすっきりしないです。


■御教訓 2001/5/13

「失敗のうちで最大のものは、失敗を何ひとつ自覚しないことである」  -カ-ライル-

聞いた話です。誤薬のことですが、昼の与薬時にまちがって夕の薬を与薬したらしいです。
昼と夕は薬の内容は異なります。そこで間違った人は、薬は同じ人の薬であるのでこれは誤薬ではないという解釈をしたそうです。誤薬という意識がないのだから、報告書にはあがってこないですよね。


■ゆで蛙 2001/5/8

蛙を鍋に入れて少しずつ水を温めていくとどうなるか。という実験です。
考えてみてください。  考えましたか?

実験では、だいたい28度ぐらいになると、蛙はいい気持ちになって、ぱたっと動きが止まってしまい、その後少しずつ温度が上がっていってもそれに気づかず、しまいにはゆで上がってしまう。  というものです。
機長のマネジメント 村上 斎藤 1997 産能大学出版部 P.132~133より一部改あり

さて、どういう御教訓でしょう??  組織も個人も28℃以上のところがあるのではないですか?


■7年前 2001/5/1
この間、古い看護雑誌を見ていました。7年前のものです。
その中にすでに誤刺し防止用の翼状針がありました。7年前です。
同型のもののサンプルが回ってきたのが、1年前。
まぁ 医療事故が注目されないとわからないものですねぇ。なかなか情報の収集と周知は難しいものですね。

■「リスク・マネジメントと危機管理」 2001/5/1
「リスク・マネジメントと危機管理」武井勲 中央経済社 1998
リスクマネジメントの専門書で、リスクマネジャ-の仕事についてかかれています。
大変な仕事だと思います。とてもじゃないけど兼任で出来るものではないです。
またこの本の中に「病院とヘルスケアのリスクマネジメント」という項目もありますので、
リスクマネジャ-の方は、読んでみればどうでしょう。


■操作性 2001/4/19
医療機器関係の方と話をする機会がありまして、操作性の話をしていました。メ-カ-によってスイッチの位置など逆の場合があるので、統一して欲しいと言いましたところ。他社のメ-カ−との区別を出すための戦略かも。という話でした。まあ、かもなんですけど、業界の標準を作ってしまえば自分会社がリ-ダ-になれるかも知れませんが、もう少し考えて欲しいなぁ~と思うのですが、まぁ~かも なので


■抗生物質製剤のキット 2001/4/10
抗生物質製剤のキットが出来て便利になりました。汚染の危険性も考えられています。しかし、メ-カ-によりミキシングの方法が異なります。溶解液バッグを直角に折り曲げる方法、抗生物質側をねじ込む方法、など 
こういうことは、メ-カ-間で統一して欲しいことだと思います。
ちなみにわからなくてひとつ破損してしまいました。
余談ですが、水道のような日頃使っているものでさえ、上にレバ-を上げると水が止まるものと、逆のものがあります。混乱しますよね。

■御教訓カレンダ- 2001/4/1
厚生労働省から医療事故防止宣言カレンダ-が回ってきました。4月は、「目で確認、指さし確認、声だし確認」
と標語が12月分のっているとってもすてきなカレンダ- です。いっそのこと、御教訓日めくりを作ったらおもしろいかも。みんなから募集してみますか?                                  70


■ハンガリ-の貴族の話 2001/4/1
ある日、ハンガリ-の貴族の一団が山登りをして、途中で道に迷ってしまった。そこで一行は地図を取り出して自分達がどこにいるのかを知ろうとした。地図を見なれない連中のこと、ああでもない、こうでもないと議論を重ねたあげく、ついに一人が、「わかった!」と叫んだ。「われわれが今いるところは、ホラ、あの向こうに見える山の頂上だ」
立花隆のすべて 下 文藝春秋編 文春文庫 p.343~344 より
現場に行かない、知らない、管理者、リスクマネ-ジャ-は、そんなものかも知れませんね。

■防衛 2001/3/10
雑誌を読んでいますと、自分が事故を起こしては困るということから仕事を選び、自信のないことは、しない、または他の人にしてもらう。という事があるそうです。
どう思われますか?
「事故を起こさないようにするには、仕事をしないこと。」という名言がありますが。

■原潜事故 2001/3/10

グリフィス少将による予備調査報告の概略
1.当日の乗組員数が十分でなかった。
2.機器の故障があった。
3.民間人の存在が「消極的な妨害」になった。
4.確認不十分による手順の誤り。
5.間接的な要因として、艦長に対し部下が進言しにくい雰囲気。

看護における事故も同じでしょ!? 
大きな事故だけでなく、インシデント レベルにおいても「確認不十分」だけではなく、原因はたくさんあるのではないでしょうか? 


■NHKスペシャル 問われた危機管理  ~650万本のタイヤリコ-ル~ 2001/3/8

ファイヤストン・ブリジストン 石橋秀一 副社長
「自分の感度がもっと良かったら、何か出来たかも知れない。確かにいろんなそのデ-タ-を見たり、いろんな形で見てましたけども、やはり販売というのは実際に現場に密着してるわけですから、もっと感度を上げとけばキヤッチできたかも知れないなと、いう気持はありますね。ただそれは、一つ自分で肝に銘じてますけど、そういった意味で出来るだけ現場に行って、話を聞いたりとか、出来るだけいろんな人に会ってですね。常にやっぱり目と耳だけじゃなく鼻も含めて敏感にしなければいけないなという風に思ってますけどね。」

フォ-ド最高経営責任者 ジャック・ナッサ-
「企業にとって、もっとも守るべきものは、企業の評判とイメ-ジです。信頼に足る会社というイメ-ジです。消費者は時として企業が問題を起こすことを理解してくれます。しかし、その企業が隠し事をしていると思ったとたん、もはや消費者は許してくれません。ですから、会社にとってもっとも大切なことは常に消費者に対して情報を出し、オ-プンにする事です。」

リスクマネジャ-は、大変ですよね。


■個人 2001/3/2
私は事故を起こさない、したことないと思っている方いらしゃいますか?
そういう方は、ちょっとあぶないのではないかと思います。
事故をするかも知れないと言う謙虚な姿勢が必要だと思います。
他を受け入れることができるから、事故などを起こした人に対しても受容できる。
事故などしたことがないという人は、なかなかそれを受け入れられないのではないでしょうか?
自信過剰な不遜な人がいますが、もし事故が起きたとき、なかなか他の人に言うことが出来ずに困ってしまうこともあるのではないでしょうか。

■リ-ダ-により失敗は3倍違う 2001/2/24
「失敗学のすすめ」 畑村洋太郎 講談社 2000 p.223より
「企業のトップが安全管理に意識して取り組んでいるか否かで、罹災率は三倍ちがってくるそうです。」
医療事故が社会的問題となり、いずれの病院もマニュアルを作ったりしましたが、仕方なく作ったものだったり、また作っただけで満足し、形骸化していないでしょうか? リ-ダ-は、今でも積極的に取り組んでいますでしょうか?

■失敗学 2 2001/2/23

2000/8/23 に 失敗学について書きましたが、本が出ています。
「失敗学のすすめ」 畑村洋太郎 講談社 2000
失敗の種類、特徴から活用方法まで詳しく書かれており参考になります。医療はほとんどなく、工学的なものが主なのですが、こういう見方が事故防止に役立っていくと思いますし、行き詰まった時のブレ-クスル-になるのではないかと思います。わかりやすくさっと読めますので、だまされたと思って…

ちなみに「続々・実際の設計」失敗に学ぶ 畑村洋太郎 日刊工業新聞社 2000
でも失敗について記述されています。こちらは設計など工学系に詳しい人なら楽しめると思いますが……5000円+税
なので……だまされたと言われると……  でも (よもやま話)はおもしろい。


■安全推進強化週間 2001/2/18
「医療事故」油井香代子 双葉社 2000  p.53より
都立広尾病院のいろいろな対策の一部ですが、 
『3. 毎月11日(事故が起きた日)を、「安全推進強化週間」として、事故防止の意識を高める。』とありました。
事故が生じて、マニュアル、対策をしても継続して歯止めをかけていかなければ、また事故は生じてしまいます。
都立広尾病院のように日を決めて、少なくとも月に1回は、事故に対して改めて考え直すことが必要だと思います。
広尾病院は、事故を起こした日と言う意味づけがあるので、「11日を忘れない!」と言う強力な意識付けが出来ると思います。25日(じこ)を「事故の日」として、意識付けの日とすればどうでしょうか?? すごいこじつけ!

■期限切れ 2001/2/17
朝日新聞2月15日くらし「言いたい」の中に ●監査は何のため?という 投稿がありましたが
「私がいた診療所では、普段は大量仕入れで安く購入した期限切れの薬を使っている…十年以上前の薬もありました。」 これが普通なんですか? 売る側も普通に売っているんでしょうか? 私はとんでもないことだと思いますが。自分の病院では常識、これが標準。と思っていることが他の施設に行くと違っていたりします。看護診断、ほとんどの病院でコ゛-ドンか、NANDAでしていると思っていましたがそうでもないようですし、申し送り廃止についてもほとんどの病院がしているのでしょうか? それとも一部の病院?? 他に2交代とか いろいろありますが、
各施設によって随分違うようですし、それによって看護診断などレベルもまちまちなどではないかと思います。
事故防止への対応も、知らないだけで、施設によってすごくばらつきがあるのではないかと思います。
他の施設の対策など、見学してみればどうでしょうか? えっ~と思うようなことがあるかも

■航空機事故3 2001/2/12
飛行機には、警報装置以外にも、ボイスレコ-ダ-、デジタル飛行デ-タ-などがあり、事故の際に分析がしやすい記録物があります。
看護の場合、飛行機に比べると少なく、頼りになる記録は、ぼ~うとしたときのミス、パニック時の真っ白な頭脳。
じゃ心許ないですね。                                       60  


■航空機事故2 2001/2/12
あらためて飛行機には、たくさんの警報装置が付いているのだと感心しました。今回の日航機ニアミス事故は、いろいろな要因がありますが、最終的には、機長の判断で回避できたように思います。人間は、判断を間違うことも多いですが、とっさの判断で危険を回避したという事も多いと思います。ものすごい緊張の中で判断をするのは難しいでしょうね。マニュアルだけでは足りない部分かも知れません。

■航空機事故 2001/2/10
今回の日航機ニアミス事故には、いろいろなことがありますが、事故防止ではもっとも進んでいると思っている航空機業界。業界は進んでいても、再発防止や原因究明していくのか、刑事責任を追及するのかという法がらみの問題が起きています。刑事責任を追及していくと真実がわからなくなる可能性があります。真相、原因究明が第一だと考えますが、おおもとが責任追求型だから、日本ではなかなかうまくいかないようです。医療事故も同じでしょうね。

■安全表示 2001/1/14
安全について、企業はいろいろなことをしています。
病院も食器、床材などに環境ホルモンを溶出するものを使っていない。とか
食事は、遺伝子組み替え食品、食品添加物を使っていない。などの安全表示をするようになるのでしょうか?
安全な療養環境のためには、そういう表示が必要かも知れません。


■犯罪 2001/1/7
入院中の患者を、故意に点滴の中に筋弛緩剤を入れ殺害しようとしたという事で准看護士が逮捕されていました。
また、それまでも点滴後何人かが急死していたとのことです。
ほとんどの人は、事故防止をしたり、事故を恐れながら仕事をしているのに、犯罪を犯す人もいる。
ショックです。


■バグ 2000/12/26
コンピュ-タのソフトで動作に不都合なバグが発見されたりするとバグをなくしていきます。
更に機能をよくするためにソフトの更新をしています。これをバ-ジョンアップといいますが、
事故防止マニュアルは、どうですか?  バ-ジョン1.0.0のままですか? 

■希薄な患者との関係? 2000/12/24
点滴など処置をする際、ちゃんと患者の顔を見ているでしょうか? 顔色などの観察ではなく、顔を見ているでしょうか? いくらリストバンドをしていても、まずは顔を見ることが必要だと思います。誤認という問題もありますが、
ある研究によりますと(未発表) 顔などイメ-ジを見ることによって、通常の看護以上のある種の良い思い入れが出現し良いケアが出来るという事があるとのことです。

■アメリカの対策 2000/12/20
1994年「ダナ・ファ-バ-事件」というのがあり、有名病院での医療事故がありました。それに対してアメリカは徹底した対策を講じたという事ですが、1999年のアメリカの科学アカデミ-医学部会の発表では、アメリカでは年間44000から98000人が医療事故で亡くなっていると発表していました。徹底した対策をしてもこの数字! 
生半可なところはもっとひどいのでしょうか?  施設など組織だけでなく、国家的に取り組まないと難しいのだと思います。

■誓約書 2000/12/20
病院から事故が起こった時、事故の責任を個人が背負うという内容の誓約書を書くように指示のある施設があるようです。誓約書の内容など、詳しいことはわかりませんが、もしそうだとすれば、防御的になりすぎ、本来のリスクマネジメントを見失っていると思います。これでは、事故情報の収集、雰囲気の改善などはおぼつかないのではないでしょうか?

■サクシンとサクシゾン 2000/12/4
高岡市民病院の事故について
新聞のみの情報では、大きな問題は、3っあるように思います。
1.オ-ダリングシステムの問題
2.薬剤師、看護婦は疑問を持った
3.病院の患者家族の関係

1.は「サクシゾン」と隣り合っていた「サクシン」をクリックしてしまった。
どのようなシステムなのかはっきりわかりませんが、ただ単に50音で順番に並べているのなら問題ではないかと思います。副腎皮質ホルモン製剤、筋弛緩薬、という分類であればふせげた可能性があります。また他の病院でも同じようなオ-ダ-のミスがあったと記憶しています。
2.は 疑問を持ったが、特に質問はしなかった。という事です。言える雰囲気がないのか?
せっかくどちらも専門職として疑問に思っているのにもったいないです。
3.は 「病院側はその日のうちに患者と家族に投薬ミスを説明した。」患者の遺族は、「詳しい説明や謝罪はない。投薬ミスが体力を削って肺炎を悪化させたのは明らかだ」とあります。
謝罪を実際にしたかどうかは不明ですが、病院側は投薬ミスは認めているが、死因との因果関係はないとしています。
難しいことだと思います。  (歯切れが悪い)

■謝罪 2000/11/26

医薬分業のすすめ  薬のミス〜医療の安全性のピットフォール〜

調剤を主体とする薬局において
『その場で、謝罪し、後に、自宅に出向いて再度謝罪し、お許しをいただけました。』
『慌てて患者さんの自宅へお薬を取りに行き、再分包したので事無きを得ました。』
『謝って患者さんのお宅へ伺う』
『医療に従事する人間としてミスはあってならないものと思ってはいますが、あってはならないミスをした時の対応は慎重にしなくてはとつくづく思うこの頃なのです。誠意をみせなくてはいけませんよね。とにかく、謝るしかないですね』
「医薬分業のすすめ」に投稿していただいた人の姿勢が伺われます。

調剤薬局と病院のような巨大な施設では、謝罪の方法も異なるようです。
調剤薬局は、小回りが利きすぐに謝罪することができ、謝罪の意志ををすぐに表す事ができます。そのようにすぐ対処することが患者にとっては好印象を与えると思います。
しかし、病院では、組織の一員としてなかなかすぐには謝罪でき無いことがあります。個人的には謝罪がしたいが、組織の意向を無視するわけには行かないと言う理由です。上にお伺いを立て善後策を検討するそういうことが多いのではないでしょうか? 対応が遅れれば、患者も不信に思うこともあろうかと思います。           50


■安全のコスト 2000/11/24
飛行機事故を想定して、客室乗務員は緊急避難の訓練を受けます。
ある航空機会社は、本物のドアを使い実際に避難誘導をします。消火器を実際に使ってみます。
違う航空機会社は、ドアに見立てたダンボ-ルを開けるふりをし、消火器もまねだけと…
どちらの航空機に乗りますか?
安全は意識しないところでは見えないものかも知れません。
しかし、安全を脅かすものがでてきた時に、見えないところで努力しているかどうかで、安全かどうか分かれる事も多いのかも知れません。
事故の時、乗客の避難よりも先に乗務員が逃げてしまった、航空機会社もあるようです。


■辞めたい 9割近く 2000/11/22
同じく、日本医療労働組合連合会の調査によると、「こんな仕事もう辞めたい」と思った看護婦が9割近くに上ったとのことです。10/20の「■看護を目指す人への影響」と同じように、看護が辛い、怖い仕事ではなく。魅力のある、やりがいのある仕事にしないと…

■94% 2000/11/22
日本医療労働組合連合会の調査によると、「ミスやニヤミスを起こした事がある」が94%あったとのことです。
どちらかというと94%より、ミスを起こしたことのない人が、6%もいるということが驚きです。事故を起こしたことのない人はいるでしょうが、ミスを起こしたことのない完璧な人はいるのでしょうか? それとも単にミスをしたという意識に乏しいだけでしょうか? 意識が無いというのも怖いものです。

■薬の事故 2000/11/19
医薬分業のすすめ  ・起こってしまった事故は“かけがえのない宝物”
         
・薬のミス〜医療の安全性のピットフォール〜
          ・日本の医療は大丈夫??
ピットフォ−ル(落とし穴)は、メ-ルにて事故体験を投稿していただき、それは共有できる財産になるという主旨です。投稿者は真摯な態度で、内容は詳しく参考になります。また途中に入れられた「治せる医師・治せない医師」バーナード・ラウン著、1998年、築地書館 なども おもしろいです。ミニ・コントもたのしい!


■医療物品のコスト 2000/11/14
 厚生労働省が
「医薬品・医療用具等関連医療事故防止対策の推進について」を発表しています。

医療機器メ-カ-も努力しています。
例えば、誤注入防止のチュ-ブとかカラ-シリンジ
しかし、コストが従来のものより高くなります。
そうなると病院もコスト高ということで、導入を見送る場合もあるようです。
安全にはもっとお金をかけてもいいのではないかと思います。
また、病院の姿勢として安全に投資して行かなくてはいけないと思います。
つまらないコスト削減が、信用を失ったり、いろいろな面で逆に圧迫するのではないかと思いますが…

■続・患者負担  2000/11/14
事故防止のために、もっと診療報酬をあげてほしいという意見がありました。安全というのにはお金がかかります。
わかります。でもうがった見方をすると、今の医療は安全込みの金額じゃないの? と…

■患者負担 2000/10/24
朝日新聞10/23 「くらし」より
医療廃棄物の処分にはずいぶんとお金がかかるようです。
日本医師会は2002年の診療報酬改定の時に医療廃棄物の処理費用について患者に負担を求める方向で現在処理費用などについて調査中のようです。
事故についても同様に、事故防止、安全維持のためにはお金がかかります。
すでにリストバンドなどは、患者負担となっているところもあるようです。
安全も患者負担となっていくのでしょうか?

■負の遺産 2000/10/24
1997年に 爆発した後、放射性物質の漏洩した動燃の原子力事故がありました。
事故のあったその施設は、当時の現場が保存されているそうです。"失敗の博物館" として一般にも公開されているとのことです。
原爆ド-ムが平和を誓う象徴のように、"失敗の博物館"は事故を起こさないようにと願いを込めたというシンボルのようです。病院にそんなものがあっても困りますが…

■看護を目指す人への影響 2000/10/20
私たちは一生懸命事故防止をしていますが、医療事故の報道などを見て
看護婦を目指す人、興味のある人はどう思うのでしょうか?
責任の重い仕事、命に関わる仕事、
そして、事故を起こすと処分をされる…
看護婦になろうという希望者が減っていくのではないかと思います。
事故の処分の影響で、魅力の乏しい仕事になっていかないか心配です。                   

■ベンチマ-ク(基準)としての横浜市大の処分 2000/10/20
以前に横浜市大の処分の弊害について書きましたが、医療事故が注目されたのは、この横浜市大の事件がきっかけとなり毎日のように報道されるようになりました。横浜市大の事故が今後の事故の一つの指標となると思います。
それゆえこの事故による影響はものすごく大きいと思います。その一つとして、処分があげられますが、
その処分がこれからの基準になりはしないか気になります。                        40

■車の安全評価 2000/10/18
運輸省は車の衝突試験をふやし安全評価を世界一厳しいものにするそうです。
それによってどんどん安全な車になっていくことは結構なことだと思います。
私たちが安全な車を選び乗れるということです。
しかし、時速55キロで大丈夫だったけど、時速100キロでぶつかると当然危ないわけで、時速100キロでは安全ではないといえます。
安全性の高い車はありますが、全く安全な車というのは存在しないという事です。
医療の場合はどうでしようか? 何をもって安全な医療機関と言えるのでしょうか?

■病院は市民に何が出来るか? 2000/10/17
大学には市民講座とかがあり、いろいろな知識を教えています。病院は 医療法 第六九条【医業等に関する広告の制限】などもあり宣伝をすることは難しいのですが、病院で市民に対する市民講座として「事故の講座」をしてみればどうでしようか? 
そこにおいて医療事故のことから当院は事故に対してこのようなシステムで、このような物品を使い、このような教育をしています。など事故防止への積極的な姿勢をアピ-ルする事が出来ると思います。また、病院の安全に対しての取り組みが見えます。何も病院の宣伝だけではなく、それによって市民の安心も増すのではないかと思います。
啓蒙活動として行うことはもちろんですが、それ以外にも一方的でなく市民と話し合いをすることが出来ますので、従来の目安箱、ご意見箱と違い真の市民の意見を聞くことが出来るかも知れません。またその積み重ねが、愛される病院となっていくのではないかと考えます。

■ノ-ベル賞 2000/10/12
白川秀樹さんにノ-ベル賞が決まった!
導電性ポリマ-の研究のきっかけは、研究生がたまたま触媒の量を間違えたということです。
実験など失敗すると怒られるのですが、間違えたことによって、自分の予測通りにいかなかった時の方が学ぶことが多いのでしょうね。
失敗から得ることは多いと思いますが、目をつぶりがちです。
失敗こそが役に立つ、よくぞ失敗してくれました! と言えるような体制だといいですね。

■カレ-事件 治療訴訟 2000/10/6

和歌山のカレ-毒物混入事件で子供が亡くなったのは、病院が適切な治療をしなかったためと訴訟していたもので
病院側は「医療機関にとっては原因推定不可能であり…」と言っています。
またまた本の紹介ですが、15才の少女がインタ-ネットを駆使しこの事件を調査したものです。
ものすごいものです。
「四人はなぜ死んだのか」 三好 万季  文藝春秋  1999

三好 万季さん のホ-ムペ-ジ


■「医療事故」 山内桂子 山内隆久   2000/10/6
朝日新聞社 2000年 発行
分析だけでなく、様々な提案があります。「行動モニタ-・モデル」によるエラ-の分類方法、国際医療安全基準、
事故後の説明や謝罪のガイドラインの作成などの提案があります。発展性がありますし、読みやすいです。 
1300円+税 以上の価値あり !

■チェ-ン・オブ・イベンツ 2000/9/26
朝日新聞9月26日天声人語より
チエ-ン・オブ・イベンツの訳は「要因の連鎖」
例としてはある航空機墜落事故には12の要因が連なっておきた。「読みずらい操縦手引き書」「警報装置の欠如」…
普段は関係していないようなものも鎖のようにつながりその結果事故になっていく、逆に鎖のどこかを断ち切れば事故につながらないと言う考えです。それだけ事故を防ぐチャンスがあるのだと思います。もう一言、もう一つの確認があれば防ぐことが出来たことは多いと思います。


■10倍 2000/9/15
病院の院内処方(取り決めとして) 発作抑制剤の十倍に薄めたものが通常使われていた。医師はその通常の十倍散を前提に処方をしていたが、4月から院外処方に変更になった。院外薬局は原液しかなく、医師が十倍散のつもりで処方していたため、院外薬局から10倍の量の薬が患者に渡され、患者は3ヶ月内服していた。
これはいろいろな問題を含んでいます。院内と院外の関係、10倍という数値の問題、など
同じ病院においても、病棟が違うと手技が異なること無いですか? これも同様な問題だと思います。つまり看護の質が一定していないと言うことです。違う病棟へ行くとミスをしてしまう、これでは困ります。
10 という値ですが、処方箋の記入ミスで10.0と1.0の間違いはよくあるようです。
そこで処方箋に最初から数値のはいるボックス、「 ・ 」又はラインを引いてみてはどうでしょうか?

■全米安全基金 2000/9/10
事故削減プログラムを創設した全米患者安全基金 というのがあるそうです。
アメリカはいろんなのがありますねぇ。

―医療におけるエラーの減少をめざして―
ジョアンヌ・ターンブル(全米患者安全基金理事長)
9月2日 医師会によるセミナ-

■患者学 2000/9/6
「患者学」 神前 格  マガジンハウス 2000
という本があります。その中の第4部 第2章の中に「医療過誤に遇わないために」というのがあり、7つほどその方法が挙がっています。その中の一つとして、「職員に活気が見られない医療機関はかからない方がよい」などとあります。どこの病院が事故が少ないのか? 事故に対する教育に積極的なのはどこか?  わからないので事務員の態度、医師と看護婦の関係、などで判断しようと…
言い換えれば、それくらいしか市民が得られるデ-タ-が無いので、このような見方にならざるを得ないと言う感じです。名医100人とか、病院の治療に関する情報は多いようですが、事故についてはまだまだです。
一般の人も安全のデ-タ-がほしいですね!?

■国立大学 文部省の対策 2000/9/2
文部省は、バ-コ-ドで患者を識別し薬の誤投与を防ぐシステムや、リスクマネジャ-の配置などの防止策をまとめ、実施していく予定である。内容はすばらしいのですが、もう一つの国立病院などは、厚生省の管轄です。省庁再編などいろいろ言われていますが、一緒に出来ないものですかねぇ。こういうふうな場合はお互いが切磋琢磨するよりも一緒にした方が効果があると思いますし、またシステムが、文部省と厚生省で異なると問題が出てくるのではないかと思います。                                             30

■予算 2000/9/1
2001年度の予算概算要求で医療事故防止のための職員研修などが要求額が5億5800万円で、前年度の2000年の当初予算は4000万円だったそうです。お金を使えばいいってものではありませんが、使わないと良いものは出来ないことも多いと思います。満額通って、事故防止に弾みがつけばと思います。

■遊園地 2000/8/29
8月いっぱいで休園になるというので、家族で行って来ました。
遊園地ですが、本来たのしみに行くところなので、もし何らかのトラブルが生じるともう台無しになってしまいます。(淡路の花博では遊具が倒れて怪我をされたそうです)
病院も体を治しに行っているのに…事故をされたのでは と 少し似ているところがあるのではないかと思います。
巨大なアミュ-ズメントパ-クでしたら、遊具のこととか、いろいろなクレ-ムがあると思います。そのクレ-ムに対してどのようにお客さんに納得、満足していただくのか、産業の特色から行ってすばらしい対処マニュアルがあると思います。見てみたいです。またホテルも同様で一流ホテルの対応を聞いてみたいものです。

■聖マリアンナ医大 麻酔医中毒死事件 2000/8/28
麻酔医が病院から持ちだした麻酔薬を乱用した、そのため中毒死したという見方が有力である。
病院の麻酔薬などの管理も問われますが、看護婦も同様の誘惑があるという事、現に日本でもベネトリンを持ち出し殺人を犯した例がつい最近見られたり、アメリカにおいては、麻薬に依存している看護婦が多いと聞きます。
また、薬物の持ち出しではないが、看護学生にBP測定を依頼したところ値がおかしいため、詳しく聞いてみると
「わからなかったので適当な値を言いました」という事がありました。
モラルとか意識などをどこかでストッパ-をかけなければ事故を起こしても何も思わない人が増えてくるのではないかと思います。



■ユ-モア 2000/8/23
朝日新聞8/23 「リストラ時代米国流の笑い術」
「ある銀行の窓口で、同じような間違いが多発した。銀行側はそのミスで処罰したり、注意したりする代わりにア-チィストを雇った。そのミスで起きた問題をユ-モラスなポスタ-に描かせて壁に張りだしたのである。窓口の係員はそれを見て大笑い、以後、ミスは95%も減ったのである。」
95%というのはどうかわかりませんが、なかなか日本人にはユ-モアのセンスがないのかも知れません。事故が生じてしまうと深刻にならないといけないような感じがあります。(もちろん場合によってはものすごく深刻なのですが)
少しでもユ-モアがあると、潤滑油になりうまくいく場合もあるのだと思います。
タ-ミナル・ケアでもユ-モアが必要ですし。茶化すのではなくもう少し力が抜けたらいいのかもしれません。

■失敗学 2000/8/23
科学技術庁が失敗の経験を生かそうと「失敗知識活用研究会」を作る。運輸関係、医療関係など人為的なミス、組織的なものなど共通点があると思います。「心理学や脳科学まで含めた新しい学問にすれば、日本からのオリジナルな学問の発信になります」
「失敗学」を提唱する畑村洋太郎さんに期待しています。
「21世紀の科学技術に関する懇談会」報告  3-(4)失敗等の活用と安全技術体系の構築



■海難調査分析官 2000/8/21
海上保安庁は、2001年度からこれまで救難活動の一環として調査してきた海難事故の原因やメカニズムの解明を行うポスト「海難調査分析官」を新設すると発表した。
いろいろなところで事故防止のためにがんばっているようです。



■訴訟について 2000/8/20
患者は病院と診療契約を締結していることから訴訟は、病院に対して行われている。

民事上の責任として、示談金、慰謝料など損害賠償金が支払われた場合に、いったん病院が支払い、その後に
当事者に負担を求める権利が法律上認められている。
刑事上の責任は、個人に対する責任を「業務上過失致死傷罪」として問われ、50万円以下の罰金刑などがある。

最近では、「うつぶせ寝」事件で、看護婦が刑事責任として「業務上過失致死傷罪」で起訴された。
乳幼児のうつぶせ寝の状態での死亡事故が刑事裁判になるのは極めて異例とありました。      (2000/8/8)

これからは訴訟も増加していますし、看護婦の責任をもっと問われていくのではないかと思います。
逆な言い方をしますと、それだけ看護という仕事を、医師に依存的だけであるのではなく、責任ある職業として認めてもらえるようになってきているのかも知れません。



■航空・鉄道事故調査を統合 2000/8/11
運輸省は、航空事故調査委員会と鉄道事故調査検討会を統合すると発表しました。
運輸関係を一元的に把握できることは、事故対策としては有効だと思います。
また、従来は鉄道事故調査検討会は鉄道局長の諮問機関にすぎず関係者からの事情聴取や立ち入り検査、証拠物の留置についても法的な権限が与えられたいなかったそうです。
しかし、統合によって航空並の権限と組織力が与えられるとのことです。
厚生省はどうなんでしょうか?
■厚生省のニアミス事例収集
■NHK ETV2000 第一夜 医療事故の報告制度
にしても消極的な感じがしますが… 気のせいでしょうか?



■厚生省のニアミス事例収集 2000/8/6
いよいよ厚生省が全国規模で情報収集、分析をするようです。
対象は当面、公的医療機関を中心とする約400施設、年間30万件の報告を見込んでいる
とのことです。とすると単純に計算すると一つの施設で月にニアミスは62.5件になります。
さて事故事例ではなくニアミスとしたのは「実際の事故まで報告を受けると刑事告発義務が生じてしまう。事故事例は病院側が怖がって出さないし、うその報告をする恐れもある。…」とありました。
また、事故収集機関を外部に置くとのことですが、これは「情報を厚生省が直接集めるよりも医療機関に抵抗が少ないという判断」
ニアミスだけ医療機関の抵抗などいろいろ考えられているのでしょうが、もう少し強気に一本化した方がよいのではないかと考えますが。



■リコ-ル 2000/8/5
またまた自動車の話で恐縮ですが、車は、欠陥が発生したら、運輸省に届けて、ユ-ザ-に連絡して修理します。
リコ-ルを隠蔽すると、「百万以下の過料」などの罰則があります。
医療事故はどうでしょうか?                                      20



■交錯 2000/8/4
筑波大病院で、細胞診の検体が取り違えられ、異なる結果となった。横浜市大にしても、今回のことにしても、本来は、一本のラインであるはずだが、どこかで情報などが交錯するようです。単なる取り違えというのではなく、何かあるような…システムもそうですが…
また、検査結果の間違いに気づき、本来の手術を行ったとのこと
なぜ気づいたのかも興味のあるところです。



■日本医療機能評価機構の評価  2000/7/28
朝日新聞7月26日より
日本医療機能評価機構は、医療の質やサ-ビス、患者の満足度などの評価し、医療の質を高めていこうというものですが、まず認定を受けている病院が少なく、評価を受けていても公表していない病院が朝日新聞の調査によると7割ほどあるとのことです。
また自動車のことで恐縮ですが、自動車にいたっては、エンジン性能がどうの、乗り心地がどうのということもありますが、クラッシュテストといって車を壁にぶつけて、どの程度つぶれるのか、その場合人はどの程度ダメ-ジを受けるのか? などをテストしデ-タ-を公表しています。少なくとも欧米では、安全についてシビァで結果次第で随分売れ行きが違うようです。
医療機関も安全のデ-タ-がほしいですね!?

日本医療機能評価機構のリンクはこちら



■自動車工場の見学 2000/7/26
子供の夏休みの宿題と実は私の強い希望で自動車工場の見学に行って来ました。
まぁ そんなことはどうでもいいのですが、自動車を組み立てるラインというのがあります。そのラインでたくさんの部品を組み付けていくのですが、そのラインには同じ車種だけが来るのではなく、何種類かの車種が不規則にやってきます。つまりシ-ト一つをとってみても、車種によって異なりますので、組み立てる部品をその車に合った部品を付けないと大変なことになってしまいます。
間違った部品をとらないようにどのような工夫がされているのか、お聞きしたところ、次に組み付ける部品がモニタ-に表示されます。そしてその部品をとり組み付けるのですが、もし間違って違う部品をとった場合は、警告がなるシステムになっているそうです。だからもし間違ってもサポ-トが出来るのです。
点滴を作るときはどうでしようか?  
そこまでのシステムの構築は難しいでしょうが  やはり企業は、すごいです。



■NHK ETV2000 第一夜 医療事故の報告制度 2000/7/23

厚生省健康政策局 青木 龍也 課長補佐 へのインタビュ-

「今のところ厚生省としては、そうした報告制度の義務づけは考えていない。制度化することによってむしろ実際におきた個々の事例が隠蔽をされて表に出てきづらくなるんじゃないかと言う指摘もございまして、むしろそうしたことは各医療機関が自主的に公表していただくと」

「個々の事例が隠蔽をされ」というのはよくわからないのですが、厚生省がした方が情報が出やすいのでないかと思いますが。出来ないのであれば、他の団体 例えば看護であれば看護協会とかが情報の一元化をした方がよいのではないかと思います。なぜなら実際に誤注入事故にしてもいろいろなところで発生しましたが、知っていれば防ぐことが出来た可能性があります。おなじようなことが他院で起こっていても、自分たちの病院で、その事例が生じるまで学べないと言うのであれば困ります。ぜひとも全体での情報の共有化を。




■NHK ETV2000 第一夜 東海大の事件 患者の家族へのインタビュ- 2000/7/22

(点滴接合部がはずれて、血液が漏れていたことなどについて)

『謝罪というのはないですよ。何かあったときに看護婦さんっていうのは「すみません」って
言っちゃうとミスを認めたことになるわけじゃないですか。自分の例えばミスとか、不手際とか
処置、いたらなかった点とかをね、認めちゃうと言うことになるから 「なんでしょね」とか
「どうしちゃたんでしょうね」とか あとは子供のせいにされたりとかね しますよ。
「よく動くからでしょ」とかね。』


謝罪の方法を考えないといけないと思いますが、難しいですねぇ。素直にすみませんと言えればいいけど
それによって「責任は全部看護婦にある。罪を認めた!」となると困りますけど…




■NHK ETV2000 第一夜 なぜミスは繰り返されるのか
その中で看護界の重鎮の 川島みどり先生が 「看護の仕事が一番末端の仕事で、医師は指示を出して、その医師の指示に対するチェックシステム 薬剤師とか看護婦がチェックするのですが、具体的な行為者はナ-スなんですね。そこで(事故の)頻度が高くなっている」と発言されていました。
真意のほどは解りませんが、「末端の仕事」とはまたおかしな言い方だと思いました。もし、看護が末端という意識があるのであれば、影響力の強い人なので、まずいことではないかと思います。


■耳原総合病院のセラチア菌 院内感染


「個別症状ととらえ、院内感染とは考えていなかった」とのことです。
あくまで推測ですが、病棟が違うとよそは何をしているのか見えない場合があります。各病棟で同じようなことが起こっていても、解らないと思います。全体を見る人がその関連性を見極められるかが問題になると思います。事故は、個人のミスに原因がある場合とこのような組織としての事故があります。

横浜市大の患者取り違えのさいに、ある医師はおかしいと思って、病棟に電話すると「患者はおりている」という返事があり、そこで手術を受ける患者であると判断したのでしょうが、これも同様に全体が見えなかったからだと思います。この医師が全体を見るのは困難であったと思いますが、手術はその人だけでなく、他にも同時にあったと言うことです。

耳原総合病院が、院内感染に関する相談コ-ナ-を作ったのは良いと思います。




■雪印低脂肪乳事件
バルブより黄色ブドウ球菌が検出され、そのバルブは規定の洗浄をしていなかった。雪印はそのミスを認めたとのことである。問題になるところはいろいろあるようですが。
規定からはずれた、ミスを犯すということ。モラルの低下なんでしょうが、仕事に対する取り組み方が昔とは変わってきているのかも知れません。仕事に対して責任を持つと言うことが、昔の職業人に比べて弱くなってきているのではと危惧しています。
そして、雪印の対応ですが、危機管理体制が甘いと言われても仕方がないと思います。情報をもっと早く公開し、真摯な態度であれば随分違ったものになったと思います。こうなってくると低脂肪乳だけでなく雪印という企業の体質が問われ全ての製品に対して不信感が出来ます。実際に雪印の他の製品を陳列棚から取り除いているところもあるようです。
一度失った信用はなかなか取り戻すことは難しいと思います。
少し前に参天製薬の目薬の事件がありましたが、企業の経済的損失は何億にもなったそうですが、参天製薬の危機管理については評価し、安心できるメ-カ-とイメ-ジはアップするのではないでしょうか?
医療事故も同様だと思いますがどうでしょうか?



■医師の看護婦への見方
和歌山県立医科大学でのミルク誤注入事故において
元看護婦の証言「小野被告(医師) に、ばれたら大変なことになるので(ミスが無かったように看護記録を)書き直しなさいと言われた」など
とまぁこの医師の性格にもよるかも知れませんが看護婦に対してどのように思っているのか疑問です。TV番組を見ていて出演していた医師が、看護婦は何をしているのかよく解らないなどと言っていました。
医師、看護婦の関係はどうみても対等な立場ではないですねェ。
事故との関連は、医師には、疑問を持っても言えない、聞けない。
挙げ句の果てに、医師は専門である看護のことにも命令をする。
枚方市民病院の事故も同様で周囲の人は言えなかった。
この間、国会で患者に対して看護婦の人数を最低3対1にしてと提案していましたが
医師会は反対していました。なぜなんでしょうか?
まぁ~看護大学も増えてきて、博士課程も出来ていますので、レベルがあがってきて、看護経済学、看護アナリストとかいろいろな学問、仕事とともに看護の地位も明確になってくると思いますが、あと何十年かかるのか?  待てないですよねェ。 



■これはびっくりした。 2000/6/29
朝日新聞 くらしの欄 「カルテ改ざん 法に触れぬ? 」
カルテの改ざんが不当行為だが違法ではない。
そして弁護士は、「現在の法体系は、医療従事者が不正を働くとは考えていない…」とあり、
最後に行政処分も難しい。問われるのは「倫理」だけなのだろうか? と結んでいました。
法律の限界がこの辺にあるのでしょうか?  法のために看護をするわけではないのですが、割り切れないものがあります。                                                10



■規格統一  
厚生省の検討会がチュ-ブの接続の規格統一し誤接続を防ぐことなどを企業や業界団体に改良を要請する。と報道されていました。
規格、薬品名、互換性がないとか 紛らわしいものとか、その業界で話し合わないのでしょうか? 誤接続だけでなく、器械の操作性もメ-カ-によって異なります。共通のインタ-フェイスであれば間違いも少なくなると思います。



アリのこと
働きアリがいますが、学者さんの研究によりますと、すべてのアリが、がんばって働いているわけではないらしいです。
つまり中にはさぼっているアリがいると言うことです。組織の中においても同様で、まぁたいていの人はまじめに働いているのですが、中にはさぼる人もいます。はじめにのところの
ミスのおおざっぱな種類に 5.怠慢とあります。まぁこれも人間ですからねぇ。
更に 8. 作為的なもの(犯罪)とかきましたが、最初は、考えられないと思っていたのですが「例えばモルヒネ中毒の看護婦は、薬を盗み、患者に食塩水を与えることがある。また別の例では、看護婦が患者にミオブロック(臭化パンクロニウム:筋弛緩剤)を意図的に与えて麻痺させ。その後に患者を蘇生して自分がヒ-ロ-になるということがある。薬に関わる意図的な行為のために患者が死に至ったという例はいくつか報告されている。」与薬ミス Zane Robinson Wolf、 PhD、MSN. 医学書院 1999 p.181より
とありましたので入れました作為的なもの(犯罪) をミスの中に入れるのは問題かも知れませんが、こういうことも考えられると言うことです。これはアメリカでの話ですが、遠くない話だと思います。



■記録の改ざん 2000/6/5
朝日新聞、枚方市民病院 看護記録の改ざんについて
患者の容態が急変し蘇生が遅れたが、前名誉院長の指示で「急変後すぐに処置した」ように改ざんされた。「事故防止について」の組織のあり方としてはのところで述べましたが、病院の管理体制が官僚的、ワンマン、独善的であったように見えます。前名誉院長とあるので6月1日付けの乳がんのOPの院長と同一だと思われますが、他の日の記事を見てみますと病院の32億の赤字を3億にまで圧縮したという功績がある。6月2日付けの記事には、製薬会社の接待を受けていた。功績があり力が強いので、周りの人は言えなかったのかもしれません。病院の損失にならないよう、名誉を失わないようにと考えた策かも知れませんが、動燃の事故などで明らかなように。隠蔽(ここでは改ざん) を行いそれが明るみに出たとき、一気に信用を失います。信用を回復するのは大変なことだと思います。病院の管理体制が良くなってほしいと思います。



■東京医科歯科大学の睡眠剤のミスについて 2000/6/3
主治医が研修医に誤って十倍量の薬を書くように指示、研修医は記入する。
システムとしては、主治医確認、研修医確認、薬剤師確認、看護婦確認、
というプロセスをふんでいる。
この病院は薬剤部への注文をコンピュ-タ-化しており、極量などの時は、警告が出ていたが、今回は手書きであったとのこと(朝日新聞によると当日は日曜日であり、主治医はシステムが稼働していないと思い、研修医に手書きで処方箋を書かせたとのこと。また薬剤師は通常2人だが当日は1人だったとのこと)
それと、デパスの処方は「5mgを粉末にして」という指示であったが、(四国新聞)
錠剤で有れば、0.5mgが1錠で有るため、指示通りに薬が来たとすると錠剤の指示であると一回量が10コ与薬することになり、
与薬するときに、「10コも与薬するのは、おかしいと」気づく可能性はあったかもしれない。粉にする必要性があったのだろうから仕方ないかもしれないが、ヒントになるかもしれない。
思い違いとか、十分なチェック不足(知識不足などに関連した、形だけのチェック? )、休日のシステム
などよりチエックをくぐり抜け事故になったのではないかと考えます。
(読売新聞によると病院側が医療事故を自主的に発表するのは異例)とありました。異例ではなくこのように通常になってもらいたいと思います。
ちゃんと報告しているのだからバッシングすることなく、評価してあげるべきだと思います。



■ 判断 2000/6/1
2つの医療事故が新聞に載っていました。両方とも(枚方市民病院、広島市民病院)それぞれ2年前、と3月中旬の事故で時間が経過しています。
どういうことで公になっていったのか知りたいところですが…
この2つの事故について、枚方市民病院のOPは、執刀した院長は、乳がんのOPを百人近くしてる。「私の判断で絶対悪性だと思った」とあるように、検査をしても自分の判断が正しいと
もう一つの、広島市民病院のICUでの心停止の見逃しですが、関係した研修医は、器械の故障と判断したとのこと。これも自分の判断で器械を信用しなかったのだと考えられます。
この2つは、院長と研修医と言うように極端に分かれていますが、判断の誤りと言うところで、院長も研修医も立場上、他の人と相談しにくい事が有ったかもしれません。
たしかに、検査デ-タ-でこの数値はおかしい。とか器械も警報が鳴らなかったりすることがあります。
このように器械を全面的に信用することは出来ませんが、自分の判断だけでは
足りない時代になっているのだと思います。チ-ム医療であり、相互間医師同士などのチェックが必要なのではないかと考えますがいかがでしょうか?
看護も同様だと思います。病棟でA,Bチ-ムに分かれておこなっていると、特に夜勤などは自分のところで精一杯となるのですが、判断しずらい場合は、お互いに補い合うことが大切だと思います。



■新聞の最近の取り上げ方
私は朝日新聞なのですが、最近の二つの事故、東海大病院,癌研会付属病院
についていままでは事故についての管理がとわれていましたが、この二つに関しては、東海大は父親が「事故の公表を再三迫った」癌研会付属病院は「遺族への報告遅れ」といずれも病院医師などの態度のことがよく取り上げられていると感じます。




■東海大付属病院における事故について

新聞によりますと事故を起こした看護婦は、「前夜から翌朝にかけて十三時間の勤務の交代間際に起こった。」とありました。勤務人数など詳しいところは解りませんが。フェイズのところでも書きましたが、注意が行き届く時間は短い。
労働時間が長期に及ぶと当然作業効率は落ちてきます。さらに長時間勤務となれば疲労しミスをする可能性は高まるのではないでしょうか?

また、これも勝手な推測ですが、ずっと勤務をしていて、あともう少しで勤務が終わると言うときに、ヤレヤレと言う感じでふと力がぬけるものかもしれません。看護協会のデ-タ-によりますと、
事故発生率は
8-11時 9.4~6.8%
11-12.14-16時 6.5~5.7%
16-17時 5.4~5.1%
7-8.17-19.21-23時 4.8~4.0%

日本看護協会 平成7年調査   
「看護事故」防止の手引き 杉谷 籐子  日本看護協会出版社  P.56
業務が多いときに、事故が多く発生しています。明け方の事故は低率となっていますが、日勤に比べ業務が少ないからだと考えます。しかし、疲労などにより実際に明け方に事故が多いかどうかのデ-タ-は持ち合わせておらず、あくまで推測です。

二交代の問題がありますが、研究の論文を読むと二交代のメリットとしては、看護婦の生活の余裕などに重きが置かれているように感じました。
しかし、事故の発生に関してはどうなのでしょうか?
私は調べるすべを持ちませんが、二交代にして自宅で疲労回復が出来、事故は減少するのでしょうか? それとも上述のように勤務時間が長くミスをおこしやすくなり、事故が生じるのでしょうか?




■横浜市大の事故について
事故が生じて、当然のように処分者がでました。
いろいろな責任を問われるので、当然かとも思いますが
また、公的な病院なのでこれも仕方がないとは思いますし
処分がなければ、市民は納得しないかもしれません。
しかし、やっぱり処分をしてしまうとインシデント レポ-トとか事故報告書を出すのに、処分があると躊躇しないか心配になります。つまり何かすると、罰せられる。罰せられると困るからレポ-トは出さない。と言うことになると
事故防止はなかなか進んでいかないと思います。
事故をすぐに公表したことは評価できると思います。



■看護大学、専門学校での事故教育
現任教育として、病院においては事故についてのさまざまなトレ-ニングをしますが、学校教育においても事故における教育が必要だと思います。学生のうちから事故に対してタブ-でなく事故をとらえることが出来ることが好ましいと考えます。また同時に適正の問題もあります。事故を起こしやすいと思われる学生には更なる指導が必要でしょうし、場合によっては看護婦になるのを辞めさせた方がよい場合もあるのではないでしょうか。