エンゼルケアとエンバーミング

 看護師の死後の処置

死は医師にとってそれは終りを示すことだが、看護師は亡くなった人の死後の処置をしなければなりません。
エンゼルケア以前の方法として青梅綿、綿花、摂子、清拭道具、吸引器、ガーゼなどをつかっていた。また化粧道具がある病院もあった。
方法は全身清拭をし、後は綿花で肛門、鼻などを塞いでいた。今は肛門など便などの腐敗液が出てしまうのに対して綿花ではなく、大きい注射器に入ったゼリー用の物を注入して便などの不潔物が流失するのを防いでいる。
2時間ぐらいから死後硬直が始まるため、まぶたが閉じない、口が開いたままになることがある。
まぶたに関しては閉眼紙というのもあるらしい。またその病院独自の方法としてまぶたに関してはティシュに水をつけ眼球に当てまぶたを下ろすという方法もあり経験上得たものであると思われる。従来の方法ではドライアイスが必要である。それは腐敗による感染防止のためである。

 エンゼルケア(エンゼルメイク)



ご家族に参加をうながすには?一緒に最期のおわかれをしますか?と
      長く闘病生活を送っていた患者さんはおそらく頬もこけ目も落ち込んだり、全身が浮腫になっていたり、もう見るのが辛い状態があると思います。
そのような状態が悲しみを一層増やすことになりますが、一緒に体を拭いたりすることにより最期の濃厚な別れができます。家族が断れば無理にしないことです。
エンゼルメイクで顔色が良くなり唇にはルージュを引き、できるだけ生前と近い状態にすることで、家族が死の受け入れをしやすくなります。葬儀社もメイクをします。小林光恵氏によると葬儀社の行うメイクとエンゼルメイクとは根本的に異なるということです。エンゼルメイクはその人らしさを出し、葬儀社は儀式用とのことです。もっと知りたいエンゼルケアQ&A 小林光恵 まぶたが閉じない場合によるとアイプチを使う方法がある。
市販されているものであざ傷痕などをカバーするものも売っている。口が開いたままにも対応策が載っており、この本にはDVDが付属していてメイクのやり方を詳しく解説している。
またhttp://www.marsh-f.co.jpこのエンゼルケアに応じたエンゼルセットを売っている。


エンゼルメイク、エンゼルケアは進んでいるが病院によって異なる。また頭部の外傷などがひどい場合の修復には葬儀社のほうが進んでいるように思う。
感染に関しては葬儀社が行うエンバーミングのほうが進んでいる。
グリーフケアについては継続されなければいけない、これには看護が力を貸すことの意味のある部分である。
しかし葬儀社の方も最近は考えられているようだ。グリーフケアは葬式後にも必要。

 エンバーミング

遺体衛生保全という意味
エンバーミングには2つの意味があります。
まず1つは、感染予防ということです。ご遺体を消毒するということ。従来の方法ではご遺体の中が殺菌、防腐されていません。
殺菌、防腐するということにどんな意味があるか。これは感染予防です。従来の方法では体の中まで消毒されていないので、例えば肺結核の場合、結核菌は生きているので、着物を着せるなど体位変換した場合など口から結核菌が出てまうことがあり感染をまねくことがあります。
感染を予防することは医療者だけでなくご遺族なども感染する事を防ぐ必要があるからです。
エンバーミングされたご遺体には防腐剤が入っているため感染を防ぐことが出来るというものです。エンバーミングの内容は血管系(同時に血液の排出)及び、腹腔へのホルマリン溶液注入です。殺菌、防腐することによって、また死後硬直がないためご遺体に接するにも抵抗が少ないと思われる。
また死後の処置がやりやすいと思われます。
日本では夏の暑い時に亡くなった場合は、ドライアイスを入れますが、腐敗は進んでいます。
エンバーミングされたものは殺菌されているため腐敗しないのです。
もう1つは体全体の洗浄とエンゼルケア(エンゼルメイク)現在病院でエンゼルケアは行われています。エンバーミングでは状況によってことなる。化粧を落としてやり直す場合もあるということです。エンバーミングでは化粧をするだけでなく、口が空いたまま、くぼんだ目、痩けた頬、顔面の損傷なども修復し、口などもエンバーミングで筋肉を柔らかにし筋肉をほぐし生前と変わらない姿を作り出すことが可能です。また損傷の大きいものは場合によって特殊メイクをする人もいる。先に紹介したエンゼルケアだけでは交通事故などで損傷した顔などの大きな修復はないと思います。どこに言えばいいのか?
病院はエンバーミングをしていないので葬儀社に頼むことになる、葬儀社も一部のみがやっているのみで親戚などが海外など遠くにいる場合は調べておいたほうがいいかもしれない。
いい葬儀
http://www.e-sogi.com
によると金額はケースにもよるが、エンバーミングは十数万円程度から受けることができそうです。

 グリーフケア


患者さんがなくなると予測されていた場合(長い闘病生活) 予測されていない場合(交通事故などのような急死)など 家族の死の受容は経過をたどると思われる。エリザベス・キューブラ・ロス「死ぬ瞬間」が同じように考えられる。
死を受け止める人はエリザベス・キューブラ・ロスの死の過程、これは死に直面している患者の思考過程だがこれと同様か酷似したものであると思われる。ショック、否認、怒り、取引、抑うつ、受容 これらは順番通り来るものではなくその時によって異なる。
死の直後で長くベッド臥床していた患者さんの家族には、例えば「長かったですね。よく頑張られました。」などと看護師は声をかけてあげるべきでしょう。
ケアされた美しい姿から哀しみが癒される。闘病生活が長く顔の形が変わっているものほど修復することで生前の顔を思い出し死を受け入れやすくするかもしれない。グリーフケアは病院を出ることで途切れてしまいます。が葬儀社によってはグリーフワークをよく知っているところもあります。また葬式が終わっても死の受け入れのための地域のコミュニティで行なっているところもあります。
受容は時間によって変わってくる。もし受容までいかず苦しんでいるのなら臨床心理士や精神科医師に相談したほうが良い。49日(忌明けの法要)とか日数による行事は仏教では受容のための意味があるらしい。カトリックでは一定の月日で追悼ミサがある。グリーフワークは継続されなければいけない。



謝辞

 鈴木葬儀社に良くしていただきました。

 参考文献


IFSA(日本遺体衛生保全協会)IFSA
エンバーミングの普及活動を行っている団体

いい葬儀

もっと知りたいエンゼルケアQ&A 小林光恵 医学書院
エンゼルケアの著書多数あります。


日本ヒューマンセレモニー専門学校

日本にもエンバーミングの学校があります

鈴木葬儀社
エンバーミングに詳しい

遺灰、遺骨からダイヤモンドの作成

おくりびと(映画)